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コネタ


コネタ438
 
宇宙食7番勝負
日本科学未来館にブラ下がっていた地球。ため息が出るほど綺麗

宇宙のことを考えると、頭がモヤモヤする。

「地球外生命体」とか「何万光年先にある星」とか「宇宙は膨張し続けている」とか。
真剣に考えていると「うわあああああ!」と頭を抱えて走り出したくなる。

そこで、ちょっと違った角度から宇宙について考察をしてみたい。食からのアプローチだ。

えー、うだうだ書きましたが、早い話が、単に宇宙食を食べてみたかっただけなんです。

高瀬 克子

シャトル内部が公開されてました

宇宙食は、江東区青海にある日本未来科学館に売っていた。

館内はどこもピカピカで、展示物も充実している。科学的な頭脳の持ち主なら1日いても飽きることはなさそうだが、ド文系の私は「ぽかーん」とするしかなかった。なさけない。

ただ、さすがにスペースシャトル内部の展示には興奮した。


宙に浮かびながら、これらのボタンを操作するのですね
天井にはマジックテープが
宇宙食を加工するマシン。液体の塩などが置いてある
ちょっと飛行機のトイレっぽい。とにかくコンパクト

「閉所恐怖症に宇宙飛行士はムリだな」と思いながら、購入した宇宙食を手に、びゅーびゅー吹きすさぶ2月の海風にあおられて家路を急いだ。


空を見ながら食べよう

部屋で宇宙食を1人モソモソ食べる、というのもいささか侘びしい。そこで「休日、代々木公園で一緒に宇宙食を食べませんか?」と友人知人に声をかけてみたのだが、集合時間に集まってくれたのは2名のみ。人望がないとは、こういうことかもしれません。


手前:大塚さん、奥:dkさん

聞けば2人とも、宇宙食を食べるのは初めてとのこと。もちろん私も初めて。ちょっとワクワクしてきました。

ビールや日本酒を飲みながら「まぁ、他の人も後から適当に来るだろう」と、さっそく試食を開始することに。


●たこやき

コロンとしたのが4個で500円(税抜)
食べ比べ用に、地球のたこやきも用意。奇しくもこちらも500円(サービスで2個追加

強い風が吹いたら飛ぶんじゃないか、と思うほどに軽い。というか、紙皿のほうが確実に重い。大きさは、地球のたこやきとほぼ同じ。

大塚さんが「んー…」と目をつぶりながら、宇宙食のたこやきをバリボリとかじる。


「これは、たこやき、…ですねぇ」
あ、タコ

dkさんと私もバリバリかじった。

―― 口の中で時間が経つと、まるっきり、たこやきの味になる!
―― 地球のたこやきよりも、たこやきっぽい気がする。
―― 思ってたよりおいしいねぇ。

全員一致で「おいしい」の評価。

「さすがNASA!」だの「フリーズドライ技術ってすごい」だの、感想を述べあう私たち。

果たして宇宙でたこやきを食べる必要があるのか? という疑問はさておいて、次にいきます。

 

●エビグラタン

ちょこんとエビが乗ってます

これも非常においしい。まるでエビグラタンそのもの。

さっきのたこやきが「バリバリ」なら、このエビグラタンは「サクサク」だ。口に入れるとクシュゥ…と溶けながら、唾液を一気に吸収してしまう。

―― これ、ツマミとして普通にイケますよ!
―― おいしい。おいしいけどコレ、スナック菓子っぽくないですか?
―― うん。これは…、この味は……、「カール」だ!

明治製菓かNASAか、という結果になってしまった。

比較用にスーパーで買ってきたエビグラタンだが、電子レンジがないので冷たいまま食べることになった。
「無理しないでください」と言うのに「地球の冷たいエビグラタンもおいしい」と言って食べ続けたdkさん。…いい人です。

 

●きな粉もち

乾燥したモチが6枚。きな粉付き
容器に水を張って、モチを戻します

初の「水もどし」系食品の登場だ。

5ミリ程度の薄さの乾燥モチを1分ほど水に浸け、引き上げたところ「ぐにゃーん」と半分に曲がった。早い。完全にモチになっている。

そこに、きな粉をまぶして食べる。

―― うわあ! これ、ちょっと早く食べてみてくださいよ!
―― ん? どれどれ…。うわ、これモチだ! すごい!
―― ずっと乾燥物ばっかりだったから、なおさらおいしく感じる。
―― うん。みずみずしい!

大絶賛の嵐です。

戻す前の乾燥モチをガリリとかじる、遅れて来たカキタさん。チャレンジャーです
最後に登場したのに一番テンションが高かった田中さん

 

●大学イモ

黒糖のような宇宙大学イモ

水飴が乾いて粉状になっており、表面がカチカチに硬い。
バリバリバリ…と、やっとのことで噛むことができた。

地球のイモよりも味が凝縮されているような気がして、大変においしい。みんなからも「おお、イモ」「イモだ!」の声が聞こえる。

硬さ、乾燥具合、イモっぷり。…何かを連想させると思っていたが、これは「芋けんぴ」じゃなかろうか。

伝統の和菓子、実はNASAレベルだったようです。

 

●杏仁豆腐

ラズベリーのようなフルーツまで一緒に乾燥されている。芸が細かいなぁ

これはサクサクと柔らかかった。やっぱりおいしい。

大塚「あのねぇ、タカセさん」
―― はい?
大塚「この比較用に持ってきた杏仁豆腐だけど」
―― う、うん。
大塚「チューチューみたいな味だよー。宇宙杏仁のほうは杏仁をケチってなくて、ものすごくおいしいのに、これ、ひどいよー」

その場にいた女子、全員同意。宇宙杏仁、圧勝。
えー、女子はデザートに厳しい、ということが判明いたしました。

 

●アイスクリームサンド

これは見た目があんまり変わりません

外側のクッキーは、まるっきり普通のクッキー。中のアイスクリーム部分は甘くて軽くてフワフワで「まぁ、アイスと言われなきゃ納得できる味かな」というものだった。

カキタ「こういうお菓子、ありませんでしたっけ?」
田中「ああ、よく高速のサービスエリアなんかで売ってるお菓子で、あのー…」
カキタ「ミルクケーキ!」
田中「そうそう!」

NASAの味は、サービスエリアで売ってるらしいです。


●ミックスフルーツ

見た目は普通のドライフルーツです

普通のドライフルーツから、さらに水分を飛ばしたようなパサパサ具合。内容物は、マンゴー、マンゴスチン、パイナップル、ジャックフルーツの4種類。

――まぁ、おいしいね。
――うん。

7品目ともなると、もはや全員、なんの感動もない。ほんの数時間で宇宙食に飽きてしまった。
この食事が何日も続く宇宙飛行士の皆さんは、本当にエライと思う。

現在の宇宙食

後日調べたところによると、現在の宇宙では「レトルト食品」や「水分を加えてもどす食品」など、もっといいものが食べられているらしい。日本食を持ち込む日本人宇宙飛行士もいるという。

……なぁんだ。

食べながら「スナック好きじゃないと宇宙飛行士は勤まらないねぇ」と言っていた私たちだったが、やっぱりNASAは、遥か先を行っていたようです。ちょっと安心しました。

日が陰ると一気に冷えます。撤収


 

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