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コネタ


コネタ443
 
タヌキの塩漬けを食べた

いろんな瓶に入ったタヌキ


その土地に古くから伝わる生薬、そんなのが好きで旅行に行くたびに買ってくる。聞いたことがない薬草や、珍しい動物のエキス入り。一粒飲めば瞬時に元気!そんなミラクルを期待して買ってしまう。

先日、父に会ったらすごいものを持っていた。タヌキの塩漬けだ。僕のこの趣向は遺伝だったのか。

うらやましい。少しだけ食べさせてもらいました。

林 雄司

別にネスカフェの瓶で蟻を飼っているわけではない
こちらが生食用となっております
ほんのひとかけらでいいみたいです。
食べた直後、暴れている僕。


傷が早く治るらしい

なじみの床屋さんにもらったという。傷口が早くくっつくという民間療法らしい。しかしネットで調べてもそんなこと見あたらないのだ。その床屋さん独自の療法なのかもしれない。

食べている父に味をきいてみる。

「どう?」
「………ものすごく、まずい」

顔を下に向けてしかめている。そこまでまずいのか。では、僕も食べてみよう。

「あ、それは煎じる用だから」

え?よく見ると瓶に「生食用」と書かれたものがある。ほかに「骨」という瓶もあった。食べ方に応じて肉が異なるらしい。

匂いを嗅いでみる。ワックスみたいな匂いがする。食べ物の匂いではない。刺激臭ではないが、もっさりと迫ってくるような匂い。タヌキのけもの臭さ全開である。

 

いただきます。

生食用をひとかけら口に入れる。匂いの通りの味がする。けもの臭い。ねっとりとした脂の感覚。ワックスを食べているようだ(食べたことないけど)。

あ、これはもしかして………

と、これ以降の味の表現は、気分を害されるかたもいらっしゃるかもしれないので、興味のある方だけ「続きを読む」をクリックしてください(けっこううまく表現できたんじゃないかと思ってます)

とまあ、けものの脂を感じる味だった。

タヌキの肉の汁
うわー。うしろにぶら下がっている通行手形。


煎じて飲む流儀もあるのよ

生食用じゃないものは煎じて飲むのだという。生食で味わったあの味を煎じて飲む。おいしくないのはじゅうぶん分かっているのだけれど、なにせ貴重な体験だ。

煎じた湯を焼酎用のガラスのコップに入れてみる。

それまではなんとなくとしか存在が意識できなかった脂が表面に浮いている。ラーメンのスープみたいだ。タヌキスープ。ありそうだ。

いただきます。ごくり。

生食のときよりもいっそう脂が際だった味。沖縄料理のヒージャー汁(やぎ汁)をもっと乱暴にしたような味だ。生食の匂いがそのまま湯気になっているとお考えください。

そして僕の様子から味をご想像ください。

 


おかげさまで元気です

ミミズを煎じて飲む、という民間療法があって、実はミミズのなかにある酵素が有効だったという話を聞いたことがある。なのでタヌキもあながち間違いではないのかもしれないけど、雑菌も多そうだ。民間療法は自己責任で。

そしてたぬきそばにタヌキの肉が入ってない理由も分かりました。

涙目

注)野生のタヌキは食べないようにしましょう。


 

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