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コネタ


コネタ508
 
納豆を一万回混ぜる

納豆、どれぐらいかき混ぜますか?

私はほとんど練らずにサラサラで食べる方が好きなのだが、祖母など習慣的に毎回200回と決めて混ぜている。聞くとところによると一般的にも年輩の方ほどよく混ぜる傾向があるそうだ。どうやら科学的にはよく混ぜた方が美味しいことが分かっているらしい。

よく混ぜるってどの程度混ぜるといいんだろう。せっかくだし、やるならトコトンやってみよう。そんなわけで、1万回混ぜました。手加減ナシです。

納豆のネクストステージを見てきました。海の幸の味がしました。

(text by 古賀 及子

魯山人納豆というやつがあるだろう

納豆をよく混ぜる文化としては、芸術家であり食通アイコンでもある、北大路魯山人の納豆作法「魯山人納豆」がやはり有名だ。

深い器で納豆を400回以上混ぜるというやり方。1万回チャレンジの前に、まずは、ネットで検索したこの魯山人納豆の作り方をまねて、本当によく混ぜた方が美味しいのか確かめる。

納豆、薬味、そして深めの器を用意


手順はこうだ。
1・まず、そのまま305回混ぜる
2・醤油投入
3・さらに119回混ぜる
4・薬味と辛子を入れる

合計424回かき混ぜる方法である。ちなみに今まで私は、混ぜる前に醤油と辛子を入れていたが、これは混ぜてから入れた方が美味しいそう。納豆、週に3回は食べてるのに全く知らなかった。そうゆう大切なことは早く言ってよ!

練り始めると、素の納豆の粘りにまず驚いた。すごい抵抗で混ぜるのにかなり力がいる。せいいっぱい、424回混ぜました。

424回、こんなかんじ

食通の納豆かけご飯、できました

ははあ。確かに粘りけがまろやかになった気がする。豆の一粒一粒がふわっとして一体になってる感じ。

調べによると、グルタミン酸だのアミノ酸だのといった科学的な意味でも納豆は混ぜると美味しくなることが分かっているらしい。400回はだいたい5分ぐらいで混ぜることができた。ちょっと腕は張ったが、これくらいなら楽勝だ。

よしゃ、それじゃあ400回と言わず、がっちり混ぜてみましょうよ!


1万回にチャレンジ

それにしても1万回だ。お金の単位などで「万」はよく口にするものの、作業として何かを一万回するのは生まれて初めてかもしれない。可能なような、不可能なような、目測が付けられない回数、1万回。

チャレンジにあたり、厳正を期すためにかき混ぜる右手にアームバンドで万歩計を取り付けた。この液晶に「10000」の表示が出るまで私は納豆を混ぜ続ける……!

何かの訓練みたいになってます

それでは、参りましょう、納豆を混ぜる1万回チャレンジ、全体的に茶色い画面を、どうぞ!

100回 200回 300回

400回 500回 600回

700回 800回 900回

1000回


腕の痛さの峠は300回だった。それ以降は勢いでなんとかなってしまった。静かに蓄積される腕の疲労が逆に怖い。多分明後日あたりにガツンときそう。

粘りの強さは終始変わらないものの、だんだん白い糸が増えて、おや? と思っている間に豆が挽き割られてなくなっていっている事に気がついた。そうか、混ぜも範疇を越えると豆が崩れるのか…。

まだあと9000回も練るのだが、1000回にしてこうだとこの先一体どうなってしまうんだろう。ちょっとへこむ。


1500回 2000回 2500回

3000回 3333回 4000回

5000回、メレンゲだったら十分のツノ立ちぶり

1300回、箸が折れる。
1500回、万歩計を取り付けるためにはめたアームバンドがサポーターの役割を果たしていることに気付く。おかげで箸が手のひらに食い込まず助かった。
2500回、無心になりたいのだが、納豆の香りで現世に戻される
3000回、味噌?
3500回、とろろ?
4000回、ピーナツバター?

6000回 7500回 9000回

6000回、開始後1時間経過
6500回、息が切れ始める。スピードダウン。
7000回、余りにもようやくだが、コツがつかめる。泡立て器の要領で。スピードアップ。
7500回、疲れを通り越し、飽き始める
8000回、今までのデイリーポータルのネタで一番つらいかもしれないと思い、逆に俄然やる気になる
9000回、j-wave聴きながら続ける

そして、10000回!!


1000回の時点で、ペースト化という納豆のネクストステージへの扉が開くと残りの9000回はよりきめの細かいペーストにするための作業というだけで、地味なものだった。

しかし、味の方はどうなんだろう。アミノ酸出まくって、グルタミン酸は分解され、むちゃくちゃ味しいことになっているはずなのだが! 醤油と辛子を投入、いざ、試食です。


味噌? 塩辛? いえ、納豆です!

畑の肉は、畑の甲殻類になった

カナッペにのせてパーティーに出してもいいんじゃないかというペーストぶり。だが匂いは間違いなく納豆だ。

食べてみる。ええと、味は確かに納豆ではあるんだけど、この味、納豆以外にどこかで食べたような……あ! そうだ、カニ味噌だ! みなさん、大変です。納豆は1万回練るとカニ味噌みたいな味になります!

粘りは健在なので、粘るカニ味噌といった感じ。納豆の原料である大豆はよく「畑の肉」といわれるが、1万回かき混ぜた結果「畑のカニ」にもなることが判明した。

なかなか食べる機会のないカニ味噌、無性に食べたくなったらぜひ納豆でおためし下さい。粘るけど。あと、1時間40分かかるけど。

納豆をすりつぶすことで、手には豆ができた

 

 

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