どういうわけか、「タオル地の端っこ」が好きだ。正確には端っこじゃなく、パイル地の、毛並がそろったところをくにゅくにゅさわるのが好きだ。
この気持ち、日本のどこかに必ずわかってくれる人がいるに違いない。違いないよな??ミサイルのボタンを押すような気持ちで性癖をカミングアウトしてみる。
(乙幡 啓子))
小さいころからずっとそうだった。夜寝るとき、気づけばタオルケットの端っこをクチビルでムニュムニュしているのだ。こうしないと寝られないわけではないが、気づくとクチビルで、指先で、蠕動運動を始めている。
就寝時の様子(イメージ)。わかりにくいが、毛並を無意識にクチビルで這わせている。
こうしてみると、有名なアメリカの犬漫画に出てくる、毛布をいつも引きずっている彼を思い出すが、↓ 彼が口にしているのは「毛布」ではなく「指」だった。
おつはた謹写。
さておき、これは「毛並」さえあればいい、というような単純なものではない。私には私の嗜好が、頑としてあるのだ。自分ちにある、あらゆる布を見ていこう。
こういうケはダメです。
思うに、
・毛足がそろっている ・毛足は長すぎたり、短すぎてはいけない ・その集合の手触りを感じる一方で、毛は1本1本を感じられるくらいまで太くなくてはいけない(気がする)
よって、上の亀ぬいぐるみでは、毛足が細く、長すぎる。
この豚はどうか。
上の豚のぬいぐるみでは、毛足が少々短い。坊主でいえば一分刈りと言えよう。あと1mm毛足が長ければだいぶ感じ方が変わるだろう。
そう、これはミリ単位、へたしたらマイクロミリメートルの世界の話なのだ!
上が表側、下が裏側。
やはり、おろしたてのバスタオルにはかなわない。上がそのタオルだが、同じタオルでも部位によって織り方が違う。よって手触りも全然異なってくる。
裏側は、粗いところがある。パス。
この、わずかなスペースに咲いた一群が、いとしい。
はあー。この写真でおわかりになるだろうか。この密集具合、毛足の適度な弾力。これこそ、今夜のおともにふさわしい。
視線は中空をさまよう(イメージ)。
夜、締め切りや何かで煮詰まっていても、というか煮詰まったときほど、うっかり切れ端に触れてしまうとスイッチオン。いっとき、意識は彼岸のかなたへ。
いまだにこの癖がぬけない。もう一生クチュクチュするんだと思う。