表と裏、生地が違っていてはだ触りもちがう。表はほわほわと柔らかく、さわさわとした感触。裏は表よりもザラつき、ちょっとひっかかるようなものだ。
忘れてはいけないのがにおい。じぶんのにおいがしみついた毛布、これがいいのだ(じぶんのにおい、といっても果たして本当にじぶんから出たにおい100%なんだかどうだかもわからないが)。これがもう、わたしにとっては麻薬なのだ。
なぜこんなに嗅ぎたくなるのか、なぜこんなに惹きつけられるのか。別においしそうなハンバーグとかカレーとかのにおいがするわけでもないのに。じぶんにとってはこの上なく魅力的なにおい。なぜか毛布以外では味わえないにおい。
誰でも覚えがあると思うが、布団や毛布を外に干すと、その後数日間は干したにおいがすると思う。気持ちはいいが、じぶんのにおいが嗅げなくなってさみしいとも思う。しかし使っているうちに、干したにおいがじぶんのにおいとミックスされていき、だんだんと元のにおいに近づいていく。じわじわと毛布を馴らす日々。
ところでわたしにとっての毛布の魅力は、においと感触が7:3の割合といったところだろうか。つまり、じぶんのにおいが染みついた毛布じゃないと魅力が減るということだ。 |