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コネタ


コネタ532
 
巨大あぶりだし表札

ある日、友人の高橋さんがこんなことを言っていた。
「うち、表札なくてさ、郵便物が間違って入ってることも多いんだよねぇ」

ああ、あるある、そういうこと。
私も表札を出していなかったら他の家の重要書類が届いて、郵便局に返したら、お詫びに「通勤快足」という紳士用靴下をいただいた。
正直、すごくいらなかった。

よし、それなら私が一肌脱いで立派な表札を作ろうじゃないの。
それも個性的な逸品で、かつ間違えようもないやつを。

佐倉 美穂

こんな表札もいいな。

何を作ろうか

まずは文房具屋で材料調達。
やはり一風変わった表札を作りたい。それを高橋さんが望んでいるかはともかく、だ。

家主の気持ちは思慮にいれないまま、文房具屋を吟味する。
うん、よし、頭の中でだんだん完成図が形になってきた。

やるぞ、あれを。
もう20年近くやっていなかった、あれを。


大は小を兼ねるというし

買いそろえた材料は以下のもの。
・模造紙
・ハケ
・ジュース

構想を申しますと、まず巨大な表札にしたかった。
せっかく作るなら、小さいのをこそっと飾るより、大きいのをバーン!とした方が郵便配達の人にアピール度が高いじゃないか。

それから、ただ書くだけじゃないことがしたかった。
ブラックライトで光る表札なんてのもイキだが、昼間見えないという重大な落とし穴がある。

そこで浮かんだのが「あぶりだし」だ。
そこに深い意味はあるのかと問いつめられると困るが、出した結果は巨大あぶりだし表札だったのだ。


100%グレープフルーツ

作成開始

あぶりだしは柑橘系の果物を絞ったもので書くのが通例だが、巨大なものに挑戦するには大量な果物が必要になってしまう。
というわけで手抜きをさせていただいて果汁100%のグレープフルーツジュースで書く。

筆?細すぎる!却下!というわけでハケだ。
まさかこのハケも自分がジュースに浸されるとは今の今まで思っていなかっただろう。

書き初めのように居ずまいを正し、清らかな気持ちで、そして潔く書く。

この段階ではまだ何と書いてあるのかわからない。

書き初め用紙の3倍はある
しわができただけの紙
サンマも焼きたいね
よっこいしょ
浮かび上がってきた!

さて、あぶります

それにしても紙が巨大だ。なにしろ模造紙だ。文化祭じゃないんだから。
年賀状サイズのあぶり出しなら家庭のコンロで十分だが、これはそうもいかない。

という訳で野外に七輪、出動。

七輪の火が美しい。キミであぶった肉はなんであんなに美味しいんだろうね。

その七輪リスペクトな思いを抱きつつ、模造紙のあぶり開始。

これがなかなか難しい。最初は一人でやっていたが、途中から高橋さんにも手伝ってもらってあぶる。

最初に文字が浮き上がってきた時は「おおっ」等嬌声をあげていたが、次第に淡々とした「次右」「上にずらして」等の業務連絡的な会話だけになってしまった。
それ程集中する作業、あぶりだし。半ばからはどれだけ七輪から離していると適度にあぶりだされるかも二人はつかみ、あうんの呼吸で紙を動かしていた。

そしてわかったこと。
グレープフルーツジュースはあぶるとクレープの香りがする。
甘くて優しいにおい。ああ、チョコバナナアイスのクレープ食べたい、なんて思いつつあぶり出し、完了!


さっそく表札としてあるべきところに飾ってみる。


「はたしか」にあらず

模造紙が余ったので、家にある他の液体でもあぶりだしの実験をしてみた。


トマトジュースで書いた作品

トマトジュースはグレープフルーツと同じで、書いた時はあまり文字がわからないが、あぶればじわじわと文字がうきあがってくる。
これはあぶりだしの王道の材料の仲間入りをさせてもよかろう、といった素材だったことを新発見した。


醤油で書いた圏外

醤油で書いた圏外は、あぶる前からうす茶色だった。
そしてあぶった時の反応が敏感だ。さっと色が焦げ茶に変わる。そして焦げた文字はくっきり浮かび上がり、香ばしい匂いを漂わせていた。こちらは煎餅といったところか。

あぶり出した後、まだ七輪の火が落ちない。もったいないのでソーセージをあぶって食べました。美味しい。

ビールで表札完成の祝杯をあげました。

七輪いいよねー


 

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