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コネタ


コネタ544
 
利きビールの舌は健在か

数年前、「利きビール」が得意だった時期がある。利くというほど高尚なものではなく、ビールを飲んで銘柄を当てるだけのことなんだけど。
なぜ利けたかというと、バイト先で毎日サッポロのエビスビールを飲んでいたからだ。他のビールを飲んでも、エビスを基準にすれば主要な銘柄はたいてい飲み当てることができた。

あれから数年。現在も毎日ビールを飲んでいるが、その銘柄はさまざまだ。発泡酒だってウエルカム(むしろそっちのほうが多い)な今、私の利きビールの舌はもはや過去のものとなってしまったのだろうか?
お酒を飲まない、またはビールが苦手な方にとってはなんのことはない本日のコネタ。しかし私にとっては自身の尊厳を賭けたチャレンジである。うそ。

(text by 田中あずさ

発泡酒の影響もあってか、ここ数年ビールの銘柄は入れ替わりがとても激しいように思う。季節ごとの限定醸造ものやご当地もの、酵母や麦芽、水にこだわったものなど、棚を見ているだけでとても興味深い。

今回はそんなビール激戦市場のなかでも、各メーカーを代表する看板5銘柄に限定して利きたいと思う。よく飲む銘柄をあえて利くことで、私がムダに大量のビールを飲みつづけてきたのではないということを証明したいからだ。・・・・・・うそ。新商品のサイクルについていけず、どれを選んだらいいのかわからなかったからです。


今回のエントリー (以下、かな順に個人的なレビューを添えて)


体育界系no.1 「アサヒ スーパードライ」

麦の香りやコクというよりも、すっきりとしたのど越しや爽快感がウリの銘柄。キンキンに冷えたビールが好きな日本人には根強いファンが多い(気がする)。 とにかくノリが体育会系で、CMやウェブサイトもこの上なく男前。本社のある台東区浅草近辺のお店は軒並みスーパードライが置いてあるあたりにも、体育会系の営業力を感じてしまうのは私だけかしらん。


お父さんの定番  「キリン ラガービール」

発売から110年という超ロングセラー。飲食店を営んでいた実家の常駐銘柄ということもあり、私が最初に飲んだビールがこれ。50代以降のビール好きは「やっぱラガーじゃないと」という方が多い(気がする)。前社の社長も『クラシックラガー』を飲んで「なつかしい味だなあ!」って言ってたし。
蛇足だが、「ラガー」とは、発酵に必要な“酵母”のタイプ別の呼び方のこと。ビールは使用する酵母によって「ラガー」か「エール」に大別され、一般的には「ラガー」はすっきり、「エール」はフルーティな仕上がりになると言われている。


給料日はっ! 「サッポロ エビス」

「オトナの贅沢ビール」の草分け的銘柄。東京都渋谷区のJR恵比寿駅は、このビールの専用出荷駅だったというエピソードも。日本で唯一、駅名にまでなったビールである。特にオーガニックをうたっているわけじゃないのに、オーガニックレストランに置いてあるケースが多いのはなんでだろう。
バイト先では一日に何リットル消費していたただろうか・・・(ごめんねオーナー)。思い出といえば思い出のビール。


ビール界のMac 「サッポロ 黒ラベル」

日本のビールをジャケ買いするならこれ。ラガーやアサヒがWindowsなら、黒ラベルはMacといったところ。超適当に言ってますが。サッポロはジャケがいいんですわ。
豊川悦司×山崎努のバトルCM(数年前になるけど)など、遊びゴコロのあるPRも好きな理由のひとつ。飲み屋に行ってサッポロが置いてあると、何かこだわりがありそうな気がしてその理由を聞きたくなってしまう。


隠れたルーキー 「サントリー モルツ」

個人的に最近おいしいなーと思っている銘柄。香り、コク、すっきり感のバランスがいいところが好き。・・・だと思っていたんだけどキリンから「一番搾り」という銘柄が出て以来、私のモルツ信仰が揺らいでいる!のです。一番搾りも味のバランスがよくておいしいですよ。
酒を買いに行くたびに、モルツVSイチシボ(一番搾り)のがぶり四つですわ、ホント。

 

以上をふまえ

以上をチャートにまとめたものが下の図である。「コク」「キレ」「香り」とか言われても・・・という方にもわかりやすいように、個人的にベクトルを設定してみた。
余計わかりずらくなった、というツッコミ禁止。

 

いざ!決戦の時


効きビールのルール

■各銘柄をプラカップに入れて、シャッフル。(してもらう)
■飲んで、銘柄を当てる。

以上。


1〜6のグラスにビールを注いでもらい、シャッフル。
1から順に利きました。
わかるような、わからないような。
5が他と全然味がちがう。

 

利き後の印象

1〜6までの印象を記入したチャートがこちら。正直、5の味の印象に持っていかれてしまい、他のビールはどれも同じに感じてしまった。利き酒は飲み込まずに行う、というルールを無視して思いっきり飲んでしまったのも敗因のひとつといえばひとつなのかもしれない。




 

回答

正直、5以外全く自信がなかったのだけど。


 

正解


田中の回答

@ サッポロ 黒ラベル
A サントリー モルツ(赤城水系)
B サントリー モルツ(丹沢水系)
C キリン ラガービール
D サッポロ エビス
E アサヒ スーパードライ

正解

@ アサヒ スーパードライ
A サントリー モルツ(丹沢水系)
B サッポロ 黒ラベル
C サントリーモルツ (赤城水系)
D サッポロ エビス
E キリン ラガービール


突出して味が違う、と感じた5番以外はすべて不正解。2のモルツはニアピンという気もするが、水系が違う※ので、結局はずれである。以前飲みつけていたサッポロ エビスだけでも利くことができたのが唯一の救いだ。
※(モルツは水へのこだわりがブランドのウリで、同じ銘柄の中に「赤城」「天王山」「丹沢」「南阿蘇」と4種の水系別の商品がある。4種がセットになった『利き酒セット』もあるよ)

・・・私の舌は節穴か。ああそうですか。利きビールが得意です、と言っていた以前の自分よ、己の恥を知りたまへ。

まとめと考察

私は利きビールが得意ではありません。


 

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