デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

コネタ


コネタ577
 
せっけんをコネコネして遊ぶ。
自作、象型せっけん。ぱおー。

先日のみどりの日に某ハンバーガーチェーンが『お好みの形にアレンジできるせっけん』を各店先着100名様にプレゼント!というキャンペーンをしていた。ただの石鹸をくれるだけなら「ふーん」と流すが、粘土のようにコネコネできるらしいという点にグッときた。
ああ、せっけんをこねて遊んでみたい。

ということでもらって遊んでみました。

(text by 藤井 季美

もらいにいこう。

私の家の最寄の店舗の営業時間を調べたら9時開店。以前よりその店の前をよく通っているけど、混雑しているのは見たことない。ここは東京、下町、洒落た物は流行りません。
どう考えても1時間程度で限定100個のせっけんが無くなるとは思えないんですが、“もしも”ってこともあるので、早起きして一番乗りの客になろう。思えば何かの為に開店前から並ぶなんてしたことないじゃん私。

予定のない休日の朝9時からチャキチャキ行動するのはごく稀。朝起きたときはナゼ目覚ましをかけていたのか思い出すのに少し時間がかかりました。でも私はせっけんを何としてでももらい行くのだ。起きなきゃならん。


9時は決して早くないって知ってますけど。
んーーねむい。
9時を回ってる!自転車で急げー!

さて、9時を少し過ぎていたけど、あきらかに私が一番乗り。店員さん達は開店準備などでカウンターの奥でゴソゴソ、ガサガサしていた。まだ寝ぼけているのにハンバーガーを食べるなんて重いけど、一番乗りで来てウーロン茶だけ注文してせっけんをもらうのはなんだか気が引ける・・・気が小さいです私。
席で待つこと5分ほど・・・その間、どこにせっけんがあるのだろうとカウンターの奥を伺って観察していたのですが、せっけんを取り出す様子が見えない。え・・日にち合ってるよなぁ。


やっぱり誰もいない〜。
準備であたふたしてる風。

「これで注文の品は揃いましたでしょうか?」
と言ってもってきたハンバーガーにせっけんが付いて無い。きっとこの店舗の人、今日がその日だって忘れてるんだろう。それともこの店舗だけせっけんが配送されていないとか?だとしたら早めに他の店舗に行かないといけない。

「今日、先着100名にせっけんをプレゼントするって読んだんですけど、せっけんありますか?」
と聞いた。ああ、ハンバーガー注文しておいてよかった。ウーロン茶だけだったら気が引けてこんな強気にせっけんを要求できなかった。
「ああ、はい、せっけん。ありますよ」
ということでせっけんゲット。ちゃんとあるんじゃん。

こいつがせっけん。小さいな。
朝からハンバーガーは胃に重かった。

 

せっけんコネコネ

もらったせっけんを観察する。わりと小さい。入ってた箱の内側に「作り方」が書いてある。ふむふむ。形を作って日陰干し2.3日で完成とある。


取説のイラストを見て気がついた。これ子供向け?
むにー。

袋の上から指で押してみる。たしかに柔らかい。むにゅむにゅとした感触にわくわくする。
粘土みたいか?っていうとそういう訳でもない。白玉粉みたいに柔らかいけどポロポロしてて一つの形にまとめるのが大変そうな粘度。手でこねてるうちに滑らかになったりする場合もあるけど、これは違うみたい。でもこれはひょっとすると単に水分の多いせっけんなのかな? 普通のせっけんとは違う何かなのかと思ってたんだけど。

何を作ろうか悩む。

昔、銀行で口座を開いたときにミッキーマウスの形をした石鹸をもらったことがあったが手に収まるサイズじゃなかったので使い難くて、浴室のすみっこでただ溶けてなくなるまで放置していたのを思い出した。でもこの量のせっけんなら何を作っても手に収まるサイズだし。単に作りたいものをつくろうっと。
部屋の中にある雑貨屋で買った象の形のお香刺しが目についた。これなら手に収まり易そうだしいいかも。これみたいな物を作ろう。


いい形とサイズ。
象を意識しすぎて見本と違う方向に。

こねる。こねる。思えば子供の頃、粘土あそびが好きで色んなものを作っていたはずなのに、なんだこれ?今の私はすごいヘタ。 思ったより柔らかくないので、微妙で繊細な形は作れそうにない。不器用なりにも高みを目指したい意欲はあるのに素材がこれじゃあ・・などと自分を擁護しながらコネコネ。


見本とはかなり違いますねぇ。改善の余地あり。
きっと使いやすいよ。これ。

自分の創作力の無さに凹みながらも、これで完成かなという所にきた。基準は壊れそうじゃなくて、ヒビが入らなそうで、使いやすそうな形。
象の鼻の部分がヒビが入りそうで不安。でも鼻を短くしたらなんだか分からなくなってしまう。クマとかネコとか違うものにすればよかったかなーでも象が作りたかったんだ。
これで乾燥させよう。

待つこと3日

乾燥させたら水分が抜けて堅くなった。つんつんと爪でつついても爪の跡は付かない。こんなもんかなぁ。さっそく洗面所にもっていって使ってみよう。使っていくとどんどん小さくなって溶けていく・・せっかく作ったのに少し寂しい・・と思いながら泡立てていたら、さっそく鼻がポロっととれた。早くも象に見えない形状に。


鼻がもげた。がーん。

もうなんの形かわかんない。
泡はわりとクリーミー。

まあ、気にするなせっけんなのだから、どんな形を作ったところで、いずれ丸くなり溶けていくのは必至。それがせっけんの運命だ。・・でもそう思ったらコネコネして形作る意味ないじゃん。・・・・。

感想:形つくって遊ぶのは粘土が最適!石鹸は丸いのが使いやすいが正解ですが、自分で自由に形の作れるせっけんは心をくすぐる何かがあります。

おまけ:やっぱり、使い始めて何日かすると水分ふくんで柔らかくなった。これでもう一度遊べる。

むにー。復活。


 

▲トップに戻る コネタバックナンバーへ
 
 


個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.