身の回りのものでできないか
用意するものはアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウム。
「こんな物質名、とっつきにくいなぁ」と思われがちだが、アルギン酸ナトリウムは昆布のぬるぬるの成分だし、塩化カルシウムは湿気取りの粒だ。
化学は身近に落ちている。
作ったイクラは食べる気でいるので、塩化カルシウムは純正のものを用意した。
問題はアルギン酸ナトリウムだ。昆布からとれるなら、その方が風味も良いし、安上がりで一石二鳥じゃない? と思い、家にあるだけの種類の昆布を煮込んで一晩おいてみた。
出来た液体は、緑茶のような色の、「うん、これは歯触りのない昆布だね」というくらい昆布エキスが抽出されたものだった。
それを食紅でイクラ風に赤くし、塩化カルシウムの中に滴下したのだが……失敗。
ただの赤い水が広がるばかり。
やはりアルギン酸ナトリウムの抽出は昆布を溶かす勢いでやらなければダメらしい。
化学的にアプローチ
しょうがなく純正のアルギン酸ナトリウムを用意した。
塩化カルシウム溶液にアルギン酸ナトリウム溶液を垂らすと、瞬時に膜ができ、カプセルのようになるという。
製品の人工イクラは垂らす液体に油や風味、味を加え、本物そっくりに作っている。
個人では何を加えたらいいのかわからなかったため、色だけイクラっぽく赤くしてみた。
さて、その赤い液体を塩化カルシウムの液体に垂らすと……。
|