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コネタ


コネタ674
 
発泡スチロール切り芸寄席

「発泡スチロールを切るカッター」というものを、しばらく前に特集記事のために購入した。

以来、必要なときがくればそれをいそいそ持ち出し、有効に活用してきた。いや、このカッターを使うために企画を考えたこともあった。それほどに魅力的な道具だといえよう。

普通に切ればプワプワと、崩れた切れ端が舞ってしまう発泡スチロールが、電熱線でメリメリ切れていく快感。

もっと何かこれでお遊びはできないものか、と考え、前からやってみたかった「紙切り芸」に応用してみました。さあお立ち会い。

乙幡 啓子

テレビで皆さんもご覧になったことがあるだろう、「紙切り芸」。一枚の紙を、途中途切れることなく、しかも話術と踊るような仕草で場を盛り上げながら、繊細なシルエットをハサミで切り出すアレだ。いっぺんやってみたかった。

しかしよく見ると「芸者の立ち姿」や「鶴」など、ものすごく細かな輪郭を表現しているものが多く、さすがは伝統芸、とても素人の太刀打ちできるものではないのだった。なら、俺のフィールドで勝負だ!いつからスチロールが俺のフィールドか!しかしとにかくやってみよう!と相成りました。


本日の演目。A4大のスチロール板、そしてカッター。そして・・・

形から入るのが常とは言え、寄席に上がれるような羽織の用意ができず。デパートで、隣にかかっていた女性用浴衣に心を残しながら、仕方なく男性用甚平を買った。


芸人か職人か岡っ引きかわからない。
背中は祭りだし。

さて、自分でこればかりは写真を撮るのが難しいので、nifty古賀さんに応援を頼んだ。場所もniftyの会議室をお借りした。観客のいない寄席の始まりで御座います。


椅子に正座するも、いまいちなので・・
よっこいしょー、と来らあ。

えー本日はようこそのお運び。

机に正座させていただき、ご無礼も甚だしく、誠に恐縮の極みでございます。なにとぞしばしのご容赦。


取り出しますはスチロール板と、この面妖な道具。
これをこう、ずずいーっと、めり込ませていくわけですナ。

しばらくぶりに工作をするので、手元が危うい。それにこのカッターは電熱線を利用しているので、ちょっとぶれてもすぐ切込みが入ってしまう。そこになんとか体の動きもつけたい。では肩慣らしと行こう。まずは簡単な形から切っていきましょう。


あたふたしてるだけに見える(マウスオーバーで動きます)。

むろん、下書きなどしていない。出たとこ勝負。真っ白な板に、適当にアタリをつけて切っていくわけで、そうなるととても踊っている場合ではないのだった。カッター熱いし。なので静かに慎重に切っていくことにして、しかしできたのはこれだ。


六本木ヒルズ。
なんだ、これ。

しかも板のサイズを活用しきれてない。

「電気ポットと急須」でもよかったかもしれない。

・・・さあどんどん参りましょう。今度は自分の好きなものを切りますので、大丈夫でしょう。迷わないでしょうとも。


このカッターの難しいところは、アームの深さに限界があること。油断していると切れ端がつかえてしまう(わかりますかこの表現で)。

普段よくこれを落書きしているので、すんなり切れた!というわけでこれ、オニオオハシです。


チョコボールの鳥、キョロちゃんではなく。
花鳥園の思い出がよみがえる。

写実を捨てたがゆえの成功?だった。胴体が漫画みたいになったが、一気に切り取る胆力がちょっとついたかもしれない。次は文字、行ってみましょう。デイリーポータルZの「Z」!


ドン。
こ、これは・・・

紙切りの神が私に降りてきたようだ。なんだこの急激な成長具合は。


「乙山さん」ではなく、ヒルズと比べてみたところ。10分でだいぶわかってきたのか。

神は私に、何をさせたもうか。気をよくして、大物に行くことにする。再び漫画に挑戦。しかも人間の全身像です。


心の眼で板を見なさい、との、心の師匠の声を聞き・・・
一気に、やあ!

おお・・・師匠。
当サイトのマスコット、Z君でございます。

あとから目と額のマークと口を切り足してみたら、これは一筆でいけるではないか。このままでは心がすっきりしないので、あくまで「一筆切り」にこだわり再度挑戦してみる。すると・・・


右が2回目。なんだか 「やくみつるさん画」 っぽいような。

いったん輪郭を切ってからよりも、アタリをつけにくい分、数段難しい。偽Z君が現れてしまった。Z君、後ろ後ろ!

ではここらでひとつ、客席の皆さんからリクエストをいただきましょうかね。はい、そこの2列目のお嬢さん。


「この人を切り抜いてください」「おや用意のいい」

エアギターの記事でおなじみとなった、宮城さん。ここでもお姿をお借りします。


・・・。
・・・?  (手前はZ君の額から抜き取った「Z」)

・・・。
・・・こうか?・・こうか?!


いや、今回は実在の人物なので失礼のないよう、写真を見て作らせていただいた。

ほう。もしかしてカメオの職人くらい本人に迫ってないか?ないか。


でもこの指使い。
あとから首周りだけ切らせていただいた。

うーん。面白い。型抜きの快感と絵画の楽しみが一気に味わえる。一発で線を決めなくてはならないところなど、ロートレックの速描きスケッチのようだ。

いっそひとりで勝手に精進して地方をまわろうか。「発泡亭スチ子」とでも名乗らせてもらって。


高座名が決まったところで、本日はこれにて失礼いたします。

今回できたものたち。いずれこの芸は何かの役にたつ、とは思えない。

 

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