そもそもどういう仕組みか
小名木川の流れる江東区は、西側の地盤が高く、東側が低くなっているそうで、なにもしなければ、隅田川からの水が住宅地の広がる東側にどんどん流れ込んでしまう。
そこで、東側の水位を一定に保つため、いまから30年ほど前に階段式の閘門が作られたらしい。30億円の事業費と約5年の月日を費やした、と近くの看板に書かれている。
そういう大変な思いで作られたゲートを、ぼくは今なにげなくくぐろうとしている。ぼくがもし閘門の職員だったら、「お前ら遊びなんだから来んなよ〜」とか思うかもしれない。
いや、ち、違うんです。しゅしゅ取材なんです。
誰に訊かれてもいないのに、なぜだか自分自身に言い訳をしてしまう。
そして扉が開いた
第一段階の水位の調整が終わったらしい。前方の扉が少しづつ開きはじめた。 |