痴漢を戒める趣旨のポスターである。もちろんメッセージの趣旨には賛同するし、痴漢行為がもっぱら電車を舞台に繰り広げられることを考慮すると、駅名表示をデザインモティーフとして採用するのは自然な成り行きかもしれないが、それらをさっぴいて考えても、この破綻はいかがなものか。
どこが破綻しているか。一見すると見逃してしまうかもしれないが、現在の居場所が「痴漢」で、次の行き先である「駅」が「警察署」なのは道理にかなっているが、前の駅も「警察署」とはおかしな話だ。どんな乗り継ぎだ。
前科があって仮保釈中にまた痴漢を働いた、というシチュエーションだろうか。常習犯をターゲットとした、とすればなるほどと頷けなくもないが、ここはやはり前駅は「平和な毎日」とか「平穏な暮らし」とかそんな感じにするべきではないか。
あるいはもしかして警察官による痴漢行為を戒めているのかもしれない。日本は先進国なのかほんとに。 |