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コネタ


コネタ891
 
USBメモリ狂四郎

USB知恵の実。

 皆さんはUSBメモリ使っておられるだろうか。近頃値段と容量がお手ごろになってきて、持っているとデータの持ち運びに便利なアレだ。

 そのデザインも多種多様で、機能的にシンプルでかっこいいものから、かわいらしいキャラクターものなどもあるようだ。そのどれもこれも、非常にすばらしい。

 だけど日本じゃ2番目だ。

(text by 藤原 浩一

オリジナリティを求める旅。

 今回は、USBメモリを俺専用にカスタマイズしようと思う。オンリーワンでナンバーワンなUSBメモリを作るのだ。

 というのも、である。まずこれを見て頂きたい。ソリッドアライアンス社のSushiDiskだ。これをはじめて知ったときに、単純に「おー」と感動してしまった。全てのUSBメモリはもっと個性化を図るべきなのだ。そう思った。

 そんなわけで、SushiDiskにインスパイアされて今回の企画を実行するに至ったのであるが、まずはじめに本物の寿司にUSBメモリを移植してみよう。


この中にUSBメモリがいる。

 すぐできた。

 ごはん部分の上半分をかじって、そこにUSBメモリを乗せ、さらに刺身でサンドイッチにするだけ。さて、この中にすし型USBメモリが混ざっているのが分かるだろうか?


正解はこちら!

  意外と、、、しっくりきているフォルムだとは思うのだが、他の人が見たらどうなんだろう。 でもすしが食べたいので食べてしまった。USBメモリは食べられない。

 USBメモリにほんのり生臭さを残したまま、次いってみよう。

 

果物の秋。

 すしの代わりにUSBメモリのデザインとしてふさわしいものを求め、家の中を探していたらりんごがたくさんあった。先日、1箱500円で買ってきたものだ。

 よし、これでやってみよう。果物って秋っぽいしね!


奥の方まで深くディグダグ掘っていく。

  彫り終わった。USBメモリを差し込むと、まさに知恵の実と呼ばれるのに相応しいりんごに仕上がった。何せ、データを記録できる実である。

 しかし、気がついてみればりんごというのは体積が大きく、極めてポータビリティに欠ける仕様となっている。より体積の小さいみかんで試してみたが、焼け石に水であった。

コードなしではありえないりんごメモリ。
コードなしではありえないみかんメモリ。

  こんな感じで、コードなしではUSBポートに刺さらないという、USBメモリとしてはあるまじき事態に陥ってしまった。コードを使ってこのくらいの重さとだと、外付けのハードディスクと同じになってしまう。むしろ外付けハードディスクの方が容量が大きくて素敵だともいえる。

 駄目だと分かると、果物なんかには興味が一切なくなってしまった。あきっぽいのは、果物ではなくて、僕のほうであった。はっはっは。


USBメモリの天ぷら。

 またUSBメモリのパートナーに相応しいものを求め、家の冷蔵庫を漁るとそこにはちくわが。

 ちくわには穴が開いているのだが、これはもしやUSBメモリを入れるために作られたのではなかろうか。その証拠にサイズがぴったりだ。シンデレラの理論で言うと、これはもう即結婚である。


合体。

  挿入してみると、はじめは締め付けるような抵抗があるが、そこを一旦超えると、ちくわの柔らく湿った内壁がUSBメモリを優しく包み込み、そのまま奥へ奥へと誘い込む。 僕はUSBメモリとちくわの相性の良さを、心から感じた。 手が油まみれだけど。

 一瞬の気の迷いで、とりあえず容赦なくてんぷらにしてみることにした。良い子はもちろん悪い子も含めた全人類は真似しないで欲しい。危険だと思われます。

 USBメモリに油がしみるのが怖いのでラップで包み、同時に揚げるときに細かなコントロールが出来るように取っ手のような部分も作った。また、USBメモリを入れた逆の側の口には、かまぼこによるふたを挿入しておいた。それでは揚げてみる。

衣をたっぷりつけて、
容赦なく揚げる。

  揚がった。しかし、ラップによる保護している部分を剥いて、USBの端子を出すと、なんだか油でテラテラしている。嫌な感じがする。これを直接PCに挿したらショートか何かして、壊れる気がする。あるいは油で揚げた熱によって、メモリの基盤がおかしくなって、それがPCに悪い影響を与えるかもしれない。

 前者の不安を払うために、やはり延長コードを用いてPCとつなげてみることにする。果たしてメモリは大丈夫なのだろうか?


結局こういう形になってしまう

 ・・・。

 ウィンドウズの画面にUSBメモリを認識したことを知らせるポップアップが表示された。良かった・・・。挿した瞬間画面がまっくらになったらどうしようかと思った。

 自分でやっておいてなんだが、こんな不安感と油につつまれたUSBメモリを使いたくはない。見た目的にはとても好きなのだが、諦めて次の物件を探すことにした。

 

食べ物はやめる。

 最初からうすうす、というかはっきり感づいてはいたのだが、食べ物は良くない。長持ちしないからだ。りんごにしろ、みかんにしろ、ちくわの天ぷらにしろ、長い時間食べずに放っておいたら、大変なことになってしまう。

 うん、食べ物はやめよう。食べ物は食べるものだ。

 というわけで、最後に僕が手にしたのはこれだった。


さわやかミント味

 丁度使い終わった歯磨き粉があるのを思い出したのだ。この口の部分から端子が出るようにすれば、中々ナイスなUSBメモリが出来上がるのではないか。想像するだけでわくわくしてくる。

 最初からここに来ればよかったのだ。万感の思いを込めて、歯磨き粉のチューブの口の部分をカッターで削り落とす。そしてチューブ中腹を切り裂き、メモリを詰め込むのだ。


新しい命を吹き込む。

  口の形を調整するのに多少苦戦しながらも、想像するUSBメモリの完成に向けて一直線に向かう。

 で、出来たのがこちら。


ふたまでついてる。もうこれで何も言うことはない。
ふたを閉めるとさっきと同じ。画像も同じでいい。
挿すと非常に立派だ。

 散々回り道しながらも、あっさりできてしまった。そして、すごく気に入った。おいらのUSBメモリが1番だ!と思う。なんか、上のほうの記事は要らなかったような気もする。いや、そんなことはない、あれらがあってこその結論なのだ。多分。

USBメモリの可能性。

マックにも対応。

 USBメモリはもはや3cm程にまで小さくなっている(参照)。ということは、今後は容量やスピード等の性能だけではなく、デザインにも幅が出てくるということではなかろうか。夢は広がるばかりである。しかし、様々なバリエーションの商品が市販されるまで待てない方は、自作してみてはどうだろう。

 最後にひとつ。今回この提言をするに当たってSushiDiskの他にもうひとつ動機となるような商品があった。USBメモリのデザインの多様性はこれを先駆けとして花開いていくのだと確信している。それは、これだ。どう見てもコスプレです。本当にありがとうございました。


 

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