■沖縄お墓風景
沖縄では、市内・郊外問わずいたるところでお墓を見ることができる。住宅街のど真ん中にお墓、という風景もしばしば目にした。生活密着型のお墓。職住隣接のお墓だ。
これは、沖縄では伝統的にお墓は個人の家の敷地の中に作るものとされていて、いわゆる集団墓地というものがなかったためだという。本州でも昔は住宅のそばにあるお寺などのなかにお墓をおいていたのだが、いまお墓といえば郊外の霊園であって住宅街の中にお墓という風景は少しずつなくなってきている。沖縄では伝統的な風習がいまだに根強く残っているということだろう。
しかし、「住宅街のど真ん中にお墓、という風景もしばしば目にした」と書いたが、実際には何の予備知識も持たない本州の人間が沖縄に行ってそれとわかることは難しいのではないかと思う。それぐらい沖縄のお墓は変わっている。
もっとも典型的なのが「亀甲墓」とよばれる形のもので、これは以前安藤さんが紹介したものだ。 |