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コネタ


コネタ934
 
150円から食べられるやきそば専門店

 飲み会で最初の注文からついおにぎりを頼んでしまう。それくらい炭水化物系が好きだ。

 いきなりのおにぎりには周囲からブーイングもあったりするが、そうした席でも受け入れらやすいのがやきそば。そんな人気者・やきそばの専門店が千葉県・房総の山の中にあると聞いた。

 やきそば専門店というだけでも結構レア。その上150円という価格から注文できるらしい。

 選択肢のなさが迷いを捨てさせる。カラアゲやピザのことは一時的に忘れて、やきそばと向き合ってきました。

(text by 小野 法師丸

気づいたら小さな旅っぽくなってたロケーション

 今回目的とするきそば専門店、千葉県・房総半島の中ほどを走るちんまりとした鉄道・JR久留里線の平山駅のすぐ前にあるという。


駅舎が超ちっちゃい

 駅前のソリッドなたたずまい。こういうときはあまり意味がよくわかっていない適当に英語を使うと、不思議と何か言ったような気になる。公園にあるあずま屋 くらいにしか見えない駅舎がかわいい。

ホームからの眺め
そのホームの様子

 なぜだか泣きたくなるくらいのいい景色。落葉したイチョウが先客となっているベンチも、危うく人を詩人にさせるくらいのたたずまい。ここは詩のことを忘れて、 やきそばだけに集中したい。


主役におどり出たやきそば

 そんな平山駅のすぐ前にあるやきそば専門店『志保沢』さん。はっきりとわかりやすく書かれた「やきそば」。そういえばやきそばを前面に押し出したのれん、これまで見たことなかったかもしれない。

 

値段がメニューの名前という本気ぶり

 駅も含めて周囲はあまり人気もないところなのだが、店内は結構混みあっている。バイクのツーリング客もたくさんいるので、手軽におなかを満たせるお店として知られているのかもしれない。

 専門店だけあって、メニューはシンプル。


システム明快なメニュー

 話に聞いていた通り、ちゃんと150円から食べられる。ソーセージ入りが200円スタート、肉入りが250円スタートということは、それぞれ50円・100円ずつアップしてのオプションということになるのだろう。

 少し考えて、原点のメニューとも言える150円のやきそばと、対極とも言える500円の肉ソーセージ入りやきうどんをオーダー。

 お店の方に「両方とも食べてくの?」と聞かれて不安になるが、かなり腹ぺこということもあり返事はイエス。他のお客さんの注文を見てわかったのだが、持ち帰りもできるよという意味で聞いてくれたようだ。



 やきそばが来るまで目にしていた店内はレトロフューチャーな感じ。年季の入ったポットに「水です」とのわかりやすい表示。ただ、つい勢いで書いてしまったが、別にフューチャーではないとも思う。

 割りばしを入れてあった段ボール箱、中華麺まではいいのだが、「100人前 10kg入」の表示がすごい。本気を感じる勢いだ。

 

容赦なく迫ってくる茶色いやつら

 程なく出てきたお皿は、意外な盛り付け方だった。


盲点を突かれた感じの盛り付け

 ひとつのお皿に盛り付けられて出てきた。カレーライスみたいだなと思いつつ、色は両方茶色だからルーっぽくもあるし、でも内容は炭水化物だからライスでもあるしと、勝手にカレーに例えて混乱をきたす。

 素で頼んだ150円のやきそばだが、ちゃんとキャベツ、そして揚げ玉が入っているのがうれしい。

 やきうどんの方はお肉もソーセージも合間に見える。食べてみるとソーセージは魚肉バージョン、いろいろ見解も分かれるところかもしれないが、個人的にはウェルカムだ。


お前、いつもの麺じゃないな

 写真でおわかりいただけるだろうか、このやきそばの麺、屋台や自宅で作って食べる麺とは少し違う感じ。黄色くて縮れている例の麺ではなく、どちらかというと普通のラーメンで使われているような麺に近いと言えばよいだろうか。食感が微妙に新鮮でおいしい。

 うどんの方はおなじみの麺といった風なのだが、やきそばとうどんではソースの味が違うような気もする。だから飽きない、ような気がする。

 うん、どっちもうまいよ。黙々と食べる。


そんな顔で俺を見るなよ

 と、気づいたら犬が入ってきていてかなり驚いた。私の隣に座って、食べている間ずうっとこっちを見ている。小学生のときの授業中、教室に犬が入ってきたとき以来の出会い方だ。

 欲しいのかもしれないが、行儀がよすぎることもあってよくわからない。犬がじっと見ている中、黙って麺を食べる。少し夢っぽい。

たいへん満足いたしました

スポーツ感覚あふれるやきそば

  そばをおかずにうどん、うどんをおかずにそばという無限回廊。おかずとは何なのかということについて考えながら15分ほどだったろうか、かなりあった麺を完食。

 相当なボリュームだったと思う。こんなに真剣にやきそば・やきうどんを食べたのは初めてかもしれない。

 150円のやきそばでもそれなりの量がありました。お手ごろ価格でおなかいっぱいになりたい方には、かなりおすすめできるお店です。


 

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