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コネタ


コネタ953
 
浮かれ電飾を鑑賞する2005
 

昨年末に「浮かれ電飾を鑑賞する」という記事を書いた。

クリスマスの時期になると閑静な住宅街を中心に発生する、電飾で飾られている家をレポートしたものだった。舞台は日本で一番コンスタントに浮かれている町、舞浜。まさに「エレクトリカルパレード住宅版」とも言えるその浮かれっぷりに筆者は感銘を受けたものだ。また、この記事がデイリーポータルでのライターデビューであったということもあり、個人的には非常に思い出深い。

近年その勢いを増しつつあるといわれているこの「浮かれ電飾」。もちろんこれが見られるのは舞浜だけではない。

今年は横浜市のある住宅街に鑑賞しに出かけた。

(text by 大山 顕

■浮かれ電飾の浸透


横浜市のとある住宅街。夢の庭付き一戸建て、ペットの犬。そして、浮かれ電飾。


過日テレビを見ていて驚いたのが、浮かれ電飾のための電飾セットの広告をコマーシャルでやっていたことだった。いろいろなECサイトを覗いても、イルミネーション商品が目白押し。自宅を電飾で飾る、という行為はぼくの想像以上に世間では普通のこととして浸透しているようだ。

「横浜市になかなか気合の入った浮かれ電飾住宅街があるらしい」という情報を得たぼくは、12月初旬の週末夜、現地へ赴き鑑賞してきた。昨年と同様、以下からその浮かれ形態別にご紹介していこう。

 

■トレンドはやはり青色LEDか


引き続き青白いLEDの光が目立つ2005年の浮かれ電飾界

昨年の舞浜の事例でもコメントしたが、今年も青色あるいは白色のLEDをあしらった浮かれ電飾が目立った。

一昔前は「電飾」といえばカラフルなものが主流であったというが、ここ数年は電球色一色のみによる上品な雰囲気のものが主流だとか。そこへもたらされた技術革新、青色LED。浮かれ電飾界は一気に青ざめることとなる。
左は電球食の柔らかな光の中に冴え渡る青い光を印象的にコーディネートした例。舞浜と比べるとやや上品な浮かれプレイである。


住宅正面を見事に浮かれさせた例。ツリーのカラフルさに注目

左も上と同様、上品に電球色で全面的に浮かれた中に効果的に色を取り混ぜた例。ツリーがカラフル、というのは好感が持てる。

この住宅街、浮かれ電飾に関してなかなかの手練れであることが随所からうかがえる。面白味が少ない。昨年の舞浜の無謀な浮かれプレイが恋しい。


赤と緑。たしかにクリスマスの基本色なのだが、気味悪い
などとハマっ子のそつのなさに少々がっかりしていたところに、ややどうかと思う色使いの浮かれ電飾を発見。正面植え込みの基本に忠実な電飾の背後に見えるファサードを彩った赤と緑。クリスマスの基本色だ。クリスマスを代表する組み合わせであるにもかかわらず、言われてみれば浮かれ電飾でこのカラーコーディネートをあまり見かけないが、なぜ見かけないのかが分かる気味悪さ。

 

■2階からのカスケード電飾


カスケードプレイも青色。みんな好きだなー、青色

舞浜でも多く見られた2階から1階に向かって放射状に電飾を展開するタイプはここでも健在。こういう「どこでも見られるやり方」っていうのはみんなどこで学習するのだろうか。なんか教則本とかあるのか。視察旅行に行ってきてまねするのか。

左は貧弱なカスケードが寒々しい青色によって強調された作品。こういうやる気あるのかないのか分からない電飾が好きだ。


暖かな電球色一色でまとめ、バランスも素晴らしい浮かれプレイ。面白くない

一方左はそつのなさ過ぎる素晴らしい作品。流行のLEDをあえて取り入れず、暖かみのある電球色一色で勝負した点も素晴らしいが、星形をモティーフとして随所にちりばめた上での2階からのカスケードプレイの全体に対するバランスが実に見事である。

文句のないハイセンスな浮かれ電飾。つまらん。


こういう「とりあえず垂らしました」的なものが好き
左は同じ電球色一色でもどこか寂しさの漂う好作品。植え込みへのボリューム感のある電飾、2階バルコニー部分のランダムな電飾とゴージャスな構成であるにもかかわらず、どこか貧弱な感じのする仕上がり。その秘密はやっつけっぽい2階からのカスケードプレイにあり。非常に好感が持てる。

電飾をカスケードプレイにしぼった作品。どうなのか、これは

左は数ある浮かれ電飾アイテムのなかからあえてカスケードのみを採用した作品。すばらしい。

住宅の形式から他のいろいろな電飾が施せなかったという事情がうかがえるが、それでも浮かれたかったのか、悪あがきの2階からダイナミックなカスケード。実際にはカスケードの質という点ではなかなかなのものなのだが、物寂しいことおびただしい。カスケードは単独の電飾には向かないということが分かった。

 

■ツリー


ツリーに対するみごとな電飾。玄人はだしの浮かれプレイである


浮かれ電飾の基本の一つと言えるのがこの植木に対する電飾である。クリスマスと言えばツリー。日本で「ツリー」って言ったら階層構造かクリスマスか、っていうぐらいクリスマスの代名詞である。

上は実にみごとなツリー電飾。ボリューム感、全体とのバランス、どこをとっても申し分ない。


枝振りは良いが、クリスマスは枝振りの鑑賞には向かない

一方、左はなんだかロンリーなツリー電飾。

この寂しい感じは電飾が施されているのがツリーだけ、という状況によるものというよりは、落葉する樹木に電飾を施した過ちによるものと言えるだろう。

クリスマスツリーと言えばモミの木。歌にも「いつも緑よ」とあるように、やはりクリスマスにおけるツリーは枝振りの鑑賞のためではないのである。


まだお前には電飾は早すぎる、といった感じのツリー電飾
明らかに電飾を施す器でない樹木に強引に飾り付けてしまった例。樹木本人も不本意に違いない。未成熟な青い肉体にむりやり浮かれ電飾。いけないものを見てしまった気にさせる、そんな聖夜。

やぶれかぶれなツリー電飾。下部の植え込みとの対比が見どころか
個人的に好感が持てるツリー電飾が左の作品。電飾もそれなりに高価だろう。電気代だってバカにならない。そんな大人の分別と「浮かれたい」という気持ちとの折り合った先の着地点がこの何ともやぶれかぶれなツリー電飾。いっそやらないほうがまだまし、という感想は野暮である。下の植え込み周辺の充実した電飾との対比が見どころである。

 

■バルコニー重視タイプ


植え込みなどには目もくれず、2階ベランダ周辺を電飾する形式はここでも健在

2階部分に浮かれ電飾の重点を置くタイプはここ横浜でも見られた。浮かれ住宅街を歩いていると最も目に付くのは、実はこのバルコニー重視タイプである。遠くからよく見えるのだ。

左は量よりも色重視の戦略をとった浮かれ電飾。しかし、やはりなんか貧相に映る。浮かれ電飾はその名の通りどれだけ浮かれるか、だ。ある程度の物量を前提としなければならない。


バルコニーとカスケードの夢の浮かれ共演。そつがない

左はなかなかの浮かれプレイ。ポイントを絞った電飾に「やれること以上のことはしない」という明確なコンセプトを感じ取ることができる。煉瓦風の外壁とあいまって非常に完成度の高い浮かれ電飾だが、ひとつ難を言えばクリスマス感がやや乏しいという点だろうか。

浮かれ電飾はやはり小さくまとまって欲しくない。


青色と電球色の組み合わせによるバルコニー重視タイプ
大通りに面したこの家は、住宅上部に電飾の力点を置いている。右側の青色電飾のボリュームも非常にバランスがよい。左上の明るい光の固まりはサンタさんの電飾人形。ちょっとした監禁状態である。

 

■ぼくの気に入った浮かれ電飾


植え込み部に謎の帯状電飾。いったいどうしたのか

最期にぼくが気に入った浮かれ電飾をご紹介。

左は植え込み部の謎の電飾が気に入った。幅のある帯状の電飾はなかなか気合いの入った素材選び。しかし予算不足かなんとも中途半端な結末に。好感が持てる。

聞くところによると浮かれ電飾は毎年買い足されていって成長するものらしいが、来年も引き続きこのまま煮え切らない状態でいて欲しいと思う。


謎のモティーフ。聖夜にロールシャッハテスト

何度見ても味わい深かったのがこの謎の図像。ロールシャッハタイプと名付けたい。浮かれ電飾は見るものの心のひだを映し出すものなのかもしれない。

ていうか、ほんとになんだろう、これ。

上は昨年末の記事最期でご紹介した甲州街道沿いの「LOVE」浮かれ電飾。1年経ってパワーアップしている。

来年末も、また別の住宅街の浮かれ電飾をご紹介できれば、と思っているが、この甲州街道LOVEは定点観測的に追っていきたいと思う。来年が楽しみだ。


 

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