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コネタ


コネタ972
 
掃除を数値で表す
忙しさにかまけこんな有様です。

掃除が下手です。
苦手意識からかどうもやる気もおきません。

そこで掃除を

「部屋が片付いた」
「なんかすっきりした」

のようなあいまいな表現でなく、
具体的な数値で表すことで、
掃除へのモチベーションをあげてみたいと思います。

(text by 望月 文子

〈1〉掃除機を一回かけると、何本の髪の毛を吸い込むか

普段何気なくかける掃除機ですが、一回につきどれだけがんばってくれているのでしょうか。
髪の毛の本数に着目して調査を行いました。

データ
掃除をかけた面積: 約61000平方cm。畳にすると約3.5畳弱。
              我が家の掃除機をかけられる範囲です。狭い。
居住人数:一人。


(1) 掃除機のダストカップ。中身を紙にあけます。
(2) 髪の毛だけ手前の紙に移動する作業の様子。目と鼻にキます。
(3) 「ガイシャの遺留品」風にしてみました。
左が10本。右が100本です。
(4) 合計197本でした。
知らずに素足で踏んだらトラウマになりそうです。

わかったこと
掃除機は髪の毛だけでなく、チリもずいぶん吸い込んでくれることがわかりました。
・そしてチリはマスク・眼鏡越しでも目や鼻に容赦なく入ることがわかりました。((2) の作業から)

 

〈2〉棚を片付けるとき、何個のものが動くか

1つのものをあるべき場所に戻すことを「1物理移動」とし、
冒頭にあげた棚が何物理移動で片付くか測定しました。

●大型の棚(縦45/幅85/高さ175(単位cm))の場合


(1) 掃除前の状態。カオスです。
(2) 10物理移動後。@と違いがわかるかな。
(3) 100移動後。あまり進展せず。
(4) 200物理移動後。感動のフィナーレへ。

「10物理移動後」から「100物理移動後」でいまいち進展していないのは、
下段の緑の引き出しの中の小物(商店のスタンプカードなど)をちまちま物理移動していたからです。
掃除下手はよくこういうことをします。

 

●小型の棚(縦29/幅35/高さ80(単位cm))の場合


(1) 掃除前。いくらなんでもあんまりな状態。
手前のアグレッシブなビニール袋の中身は米。
(2) 50物理移動後。
バーカウンターになりました。(お湯割り対応)

わかったこと
(1) ものの多さや散らかり具合に思いっきりよりますが、
 最大200回物理移動すればなんとか見栄えすると思います。

(2) 見えるところにあると、一気に部屋が所帯じみるアイテムは以下の通りです。
物理移動の際には、これらを優先的に片付けることをお勧めします。
というか、常識でしょうか。


(1) ビニール袋
(2) コンセント
(3) 脱いだ形状である衣類(T:ジーパン)
(4) 脱いだ形状である衣類(U:ストッキング(肌色))

(3)と(4)を比べてみてください。
(3)はまだ、「若者らしい奔放さ」も感じさせますが
(4)は切なさすら覚えます。肌色ストッキングは生活感(それも疲れた)の象徴です。


●ストッキングも黒だとそこまで負を感じさせません。
●色が変わるだけでこの存在感。この貫禄。

 

他にもこんなのを測定してみました。


掃除時間 7時間26分。
数日にわけて掃除したので、掃除が終わるたびに電池をはずしました。
ゴミ総量 3.5キロ。
40リットル入りのゴミ袋が2袋でたのですが、これは1袋目の数値。
掃除に費やした支出 851円。
掃除で歩いた歩数 1156歩。
家の端から端まで15歩で行けるワンルームのため、伸び悩みました。

自信を持ってお勧めします。

物理移動回数を測定したり、途中経過を写真に取っていると、
「数や映像に見合う美しさを出してやりたい…!」という思いが芽生え、
かつてないほどの情熱で掃除に取り組むことができました。

髪の毛の本数以外は迷わずお勧めします。
散らかった部屋ほど、きっとドラマチックな展開になることでしょう。

思いつく限りの「美しい部屋での食卓」。

 

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