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コネタ


コネタ980
 
エリザベスカラーで暮らす
人類用エリザベスカラー

エリザベスカラーとは、犬や猫などのペットが、治療したケガの傷口や手術の跡などを舐めて悪化させてしまわないように、首の回りにする治療器具だ。
動物病院などで、これを巻いたペットたちの姿を目にする。

傷の治りを早くするためとはいえ、傍目で見ているととても不自由そうに見える。
果たしてこのエリザベスカラーが、本当に動物のためになるのか、実際に自分の首に着け、ペットの気持ちになって体験してみた。
動物の気持ちを理解せずに、良い獣医にはなれないのだ。
獣医になるつもりはないけれども。

(text by クドウ

ペットの気持ちを人間は理解できるか

我が家でも、ハムスターやカメなどを飼っている。
ボクにとって彼らは家族の一員である。

我が家のハムスターは、飼い始めた親から数えてもう三代目になる。
ハムスターは寿命が平均2〜3年と、とても短い。
寿命が短いということは、おのずと病気にもなりやすいということだ。
生まれて2年を過ぎるころから、老化に伴い多くの個体に何らかの病気が現われる。
心配になり動物病院に連れて行くと、獣医さんはハムスターのような小さな動物にも親身になって診察をし、薬を処方してくれ、場合によっては外科手術もしてくれる。
飼い主にとっては、愛するペットを救ってくれる神様のような存在だ。


かわいいとしか言いようがない愛玩っぷり

けれども、手のひらにのるような小さな体に残る、痛々しい手術のメスの跡を見ると、果たしてこれで良いのだろうかと思うこともある。

本来の野生動物は、ケガや病気をした際、その生死を決めるのは自分の持つ治癒力だけだ。
それがペットになると、飼い主の愛情という、ある意味において一方的なエゴイズムで、自然の摂理に逆らい延命をしようとする。

それが本当に彼らペットのためになっているのだろうか。
たとえばエリザベスカラーをした犬なんかを見ていると、時々そう思うのだ。

もちろん、大切な家族であるペットが一日でも長く健康で生きて欲しいというのは当然の気持ちだが、そういう複雑な思いから、今回の記事を書くことにしたのである。

動物の立場でエリザベスカラーを試したのだ。


まるで小動物のようなふるえる瞳

 

動物の視点で朝を迎える

朝は眠い。朝が眠いのは動物も人間も同じだろう。
しかし、いつまでも布団にくるまったまま、ぐずぐずしてはいられない。
眠い目をこすりながら、布団から抜け出す。
あ、エリザベスカラーがじゃまして目はこすれないけれど。


おはようエリザベス

 

目覚めの一服

起きぬけのタバコ。
愛煙家にとっては欠かすことのできない朝の儀式だ。
けれどエリザベスカラーをしていると、タバコを吸うことができないことがわかった。
タバコが好きな犬や猫にとっては、きっとかなりのストレス要因になるだろう。


タバコの先に火をつけてくれた人が恋の相手という、細川たかしの気持ちが理解できた気がする

かろうじて、タバコをくわえることができたが、それが限界だ。
何度も火を点そうとしたが、無理だった。
このエリザベスカラー、ひょっとすると、世界初の禁煙補助器具として売り出すことができるのではないだろうか。

 

日常生活に挑む

この日は天気の良い休日、洗濯にはもってこいの朝だ。
洗濯機から取り出したシャツを、ベランダの洗濯ロープに干す。
手元が見えないので、カンを頼りに干す。
新春のやわらかな日差しを浴び、エリザベスカラーで干す。


未成年だから顔をボカシているのではない

天気が良くて気持ちも良いので、洗車でもしようか。
こと洗車に関しては、エリザベスカラーは意外に役立つ。
ホースの水がうっかりはねても顔にかからないのだ。
水回りの作業に従事するペットにはおすすめできる必須アイテムだ。


でも、汚れの落ち具合は目視できない

 

晩酌に挑む

洗車を終えてほっと一息、ビールでも飲もうぞ。やきとりでも食おうぞ。

けれども、どう考えてもそのままでは無理だ。

動物とは違って、人類には叡智がある。
やきとりは串からはずして菜箸に刺しなおし、ビールはストローをいくつもつないで飲むことにしよう。
よかったな、人類で。


期せずしてジャンボやきとりのようだ。うれしい。でも実際は普通のやきとり

あれ?むしろ普通よりうまい
ちょっと宇宙服&宇宙食っぽい

残念ながら、ストロービールはおいしくない。
ストローのつなぎ目から空気も入ってくる。
けれども、やきとりは普段のものよりおいしく感じる。
普通の串から菜箸に替えたことによって、スケール感が増したためだろうか。
今度からこうして食べよう。

さて、晩酌は一段落させてソバでも食べるとするか。


勢いをつけて
一気に吸い込む

長い菜箸があれば、何とか口に運ぶことはできるが、吸い込むときにどうしてもエリザベスカラーに麺が触れてしまう。
きれい好きな動物には、麺類はあまりおすすめできない。

そして、麺をすする音がエリザベスカラー内に反響して、ものすごくうるさい。
けれどもこれは、耳栓をすることによって緩和されるだろう。


晴れた日には、あなたもエリザベスカラーで…

今回わかったこと

様々な思いで始めたこの企画であるが、今日の体験を通じて理解できたのは、たとえエリザベスカラーをつけていても、”菜箸”さえあればなんとかなるということだ。

何事も工夫次第でなんとでもなるのだ。

今度街でエリザベスカラーの犬を見かけたら、菜箸を差し入れてあげようと思う。


 

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