おばあちゃんの原宿「巣鴨」の最新ファッションをリポートします。

渋谷のギャルファッションや丸の内のＯＬスタイル、裏原系、名古屋嬢など、人の集まる土地にはその街独自のファッションスタイルが。

では、おばあちゃんの原宿こと「巣鴨」に集う女性たちのファッションとは一体どのようなものなのか？

そこで今回、巣鴨のお店で聞き込みを行い、巣鴨で今、どんな服が流行ってるのか、どんな服を選べば巣鴨系になれるのか聞いてみることにしました。目指せ巣鴨族！

（text by 岸川 祥子）

巣鴨のおばちゃんは動物柄を着ない

実はこの企画、もともとは「おばちゃんがよく着ている動物柄の服。どの動物が一番多いのか？」というものでした。

しかし実際に巣鴨に行って見ると…動物柄の服を着てる人が全然いない！どうやら他の街と間違えていたようです。（ちなみに浅草もいませんでした）

とはいえ、巣鴨で売られている服は新宿や渋谷あたりとは大きく違い、かなり独特。ここは潔く諦めて素直に巣鴨ファッションを極めてみることにしました。

トップスはワンサイズ大きめが巣鴨流！

まずは全体のの印象を大きく左右するトップス（上半身の服）から。

巣鴨で服を見ていて不思議に思ったのは、歩いてる人たちがみな小柄なのに売られている服がＭかＬばかりだということ。

その理由をお店の人に訪ねてみると、「おばあちゃんたちは腰が隠れる服じゃないと落ち着かないのよ」との答えが。さらに「下に肌着をいっぱい着るから、ぴったりした服だと入らないし」と聞き、思わず納得。これぞまさに巣鴨なりのファッションポリシー！

さらに巣鴨では…

○前あきの服が人気（脱ぎ着がしやすい）
○ポケットのついた服が人気（いろいろ物が入れられて便利）
○どこかくすんだような地味な色合いが人気。

とのこと。そのポイントにしたがって、まずは左のトップスを購入。確かにこれは脱ぎ着が楽そう！

パンツは九分丈で足元すっきり！

続いてはトップスに合わせるパンツ。巣鴨で売られているパンツはなぜかみな丈が短く、９分丈程度。一体どうしてなのか？

裾を踏んで転ばないためかと思い、店員さんに聞いてみると…「年取ると針に糸が通らなくて、裾上げが大変でしょ？だから最初から短いのを買うの」とのこと。

おばあちゃんたちにとって裾あげは店に預けてやってもらうものではなく、自分でするもの。そしてそれが出来ない今、最初から裾あげしなくていいものを買う。何だかちょっと切なくなっちゃいました。でもビバ！合理主義。

ちなみに裾は切らないことが前提のため、左の写真のように裾にいろんなアレンジを加えた商品も。まさに巣鴨流のさりげないおしゃれ。

また、巣鴨パンツのその他の特徴は以下のとおり。かなり機能性重視です。

○ウエストはもちろんゴム
○裏地が温かいものが人気
○動きやすく膝が出ないストレッチタイプのものが人気
○色は黒、紺、グレー、紫（派手でないもの）が人気

巣鴨のバッグは２個持ちが基本！

さて、上下の服がそろったところで今度はバッグ屋さんへ。

街でリュックサック姿のおばあちゃんと斜めがけバックのおばあちゃんをやたら見た気がしたので、「どっちが人気なんですか？」と店員さんに尋ねてみると、衝撃の答えが！

「巣鴨のおばあちゃんたちはバッグを２個持つのよ」

店員さん曰く、巣鴨マダムはリュックと肩掛けバッグを両方持ち、リュックには着替えなどあまり出し入れしない物を、小さな肩掛けバッグにはよく出し入れする貴重品などを入れて持ち歩くそう。

ＯＬさんがよくミニバックとブランド物の紙袋を２個持ちするみたいな感覚なんでしょうか。勉強になります…。

ちなみに店員さんが「VIANTINO」と書かれたリュックを「バレンチノ」と呼び、「ROSEDE」と書かれたバッグを「プラダ」と呼んでいたことはこの際、気にしないことに。

なお、どちらのバッグも１０５０円。激安です。

巣鴨で大ブレイク中の靴とは…

おしゃれは足元から。最後は靴です。巣鴨の靴屋さんで常に見かけたのが、この２ファスナーのひも靴。（ヒモの両サイドにファスナーがついてます）

何かの番組で取り上げられてブームになったらしく、どこのお店でも「あの番組で大人気！」と書かれ、売られていました。

店員さん曰く「何がいいって反りがいい」とのこと。靴の反りがいいと歩くときに転びにくいんだとか。確かに軽くてものすごく歩きやすいです。脱ぎ履きも簡単。