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コネタ


コネタ1045
 
蒲田駅の4匹のハト

屋内でハトが飛んでいたりすると、おや?と思いませんか。

小学校の頃、体育館の中に鳥が迷い込んだりすると大騒ぎだった。今でも、駅の中で、プラットホームではなく構内の奥のほうにハトがいたりすると、あれ?とちょっと思う。

私のよく使う蒲田駅構内にも、いつからかは知らないがたいていハトがいる。そしてなぜか、見かけるときはだいたい「4羽」だ。あ、ハト、と思ってあたりを見回すと、必ず仲間がいる。

「蒲田の4匹」と勝手にかっこよく呼んでいるが、今日は、その4匹を追ったルポをお届けします。といっても何も感動はありません。ハトルポ。ハトポッポ。

乙幡 啓子

駅構内見取り図

まずは、構内の様子をざっと説明したい。

下の図で、黄色い部分は駅の共用部分。改札をくぐらずに通れるところだ。上部のピンクの部分が東急線のホーム。下の2つのピンクの部分がJRの改札とホームの間のスペースだ。黒い点々は改札口、点在する灰色の四角は下り階段である。で、図の丸く囲んだ部分に、たいてい奴らは居る。

いかに建物の内部まで奴らが入り込んでいるかを説明しようと図まで描いたのだが、よくわからない感じになってしまった。だが、少なくとも外気をもろに感じるようなエリアでないことは言える。

 

かんさつ1日目

ニフティの会議に出席するため、蒲田駅で乗り換えた。今日も寒い。

どこにでもあるようなコンコースだ。

上を見たら今日は2羽、JRの掲示板の上でくつろいでいた。いつか見た他の2羽は、いなかった。

2羽とも、あまり動かない。


会社帰りの人々が行き来するその頭上に。
2羽とも向こうをむいて。何見てるんだろう。

 

かんさつ2日目

数日後、東京駅に取材に行くため、蒲田で乗り換えた。今日は晴れていい天気だ。

いた。やっぱり2羽だ。「あの」2羽かどうかは、鑑札でもつけないとわからない。皆同じに見える。


掲示板の上を探す。いた。
1日目の看板を裏から見たところ。

 

かんさつ3日目

1週間後、またニフティで会議だ。今日はあまりネタ出しができなかった。どうしたものか。

とぼーっと考えつつ券売機へ行けば、そばで大宴会をやっていた。今日は4羽いる!


さかんに首を動かす4羽。
よかったな。

だれかがぶちまけたスナック菓子を、さかんに食べていた。菓子は大量にある。

たまにおじさんがこの辺にべタッと座っているが、もしかしたら奴らを餌付けでもしているのかもしれない。

 

かんさつ4日目

手芸店ユザワヤに行くため、蒲田駅に来た。最近は自然と、まずハトを探すようになった。

いつ見ても、奴らは、掲示板の掛かっている柱で分けられたスペースに1羽ずつ座っている。部屋が決まっているのだろうか。ジャングルジムでママゴトするときの部屋割りの雰囲気を思い出す。プライバシーはゼロ。


今日は2羽ともこっちを向いていた。

写真を撮っていると、猫に服を着せリードでつないで散歩させているおじさんがやってきた。この猫とおじさん、前にも見たことがある。この猫が、たいそう変わっているのだ。


猫、ぴたっと動かなくなる。
ロボットみたいに1歩1歩前進する。

この猫のほうを取材したいくらいだ。頭の位置を微動だにせず、水平に保って、そろりそろりと歩くのだ。

まるで、のろいハトみたいだ。と思っていたら、彼もやはり頭上のハトを意識しているようだ。まねしているのかどうかは、わからない。


見上げる猫。見下ろすハト。

 

かんさつ5日目

雨。夜も更けてきた。遠出から蒲田まで帰ってきたが、頭上に例のハトはいない。


こういう日もある。

どこに行ったんだろう。ねぐらって、どこかにまた別にあるんだろうか。なんとなく探してみることにした。

このフロアには、ラーメン屋やお菓子屋などが軒を連ねているので、その辺でおこぼれを待っているのではないだろうか。


甘栗屋の前にもいない。

コンコースにはいなかった。奴らはどこにいくというのだろう。

あきらめて東急の改札をくぐった。そのとき。


低い位置で何か動いている。

駅そば屋の前に2羽、うろうろしていた。なんだ、入りたいのか。


すごく入りたそう。
あ!入った!

そのまま、奥へと入っていってしまった。揚げ玉の1粒でもありついただろうか。

東急のホームはターミナルなので大きく、外気との接触も多分にある。奴らはここから出入りするのかもしれない。

かんさつは、以上だ。その後、例えば傷ついたハトを助けたり、助けたら米俵をもらったり、助けるところを見ていた人に告白されたりなど、特に何も劇的なことは起こらなかった。

ただ、見ていた。

これだけずっと屋内にいられるということは、ハト的に蒲田駅は居心地いいということなのだろう。まあ、蒲田という場所は、そういわれればまあそうかなと思わせる何かがある。

彼らは、自分よりずっと大きい人間がわさわさ動いているのを、どんな目でみているんだろう。でも別にハトに生まれたくはない。


 

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