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コネタ


コネタ1095
 
もろみ酢が泡立った!

最近、シフォンケーキをたまに作る。慣れてくれば意外と簡単なケーキだ。ただ、難関は「メレンゲ作り」、そう、卵白をぐわわわーーーっと泡立てるところである。そこをやり損じると、出来上がりに差が出るのだ。

ケーキの話はともかく、メレンゲを作った方なら誰しも最初は、「あの卵白が、泡立てるだけでこんな状態に!」と驚くはずだ。実際、自分も毎回不思議に思う。いくら電動のハンドミキサーで泡立てるにしても、あんなピンとツノが立つくらい、固く泡立つなんて!

・・・それなら、ほかにもツノの立つくらい泡立つものが、いろいろあるんじゃないか?と思ったので、試してみた。

乙幡 啓子

これがメレンゲです

参考までに、メレンゲを知らない方のために、メレンゲとはこういうものだという画像をお見せしよう。これは昔「パイ投げ」用の材料を試行錯誤したときに作ったものだ。

 


ツノ、ピーン。

「ギネスビールのCM」で、いかにギネスの泡がクリーミーかをあらわすのに、泡を一口飲んだあとにできた穴を見せているだろう。それ以上に、この卵白というものはこんなクリーミーになるものなのだ。

では、ぜひクリーミーにしてあげたい (というか、そうなった様を見て笑いたい) 流動性のある食品をピックアップだ。


(写真はあくまでイメージです)

 

とりあえず酒から

と、いきなり日本酒から始まるわけだ。日本酒がアワアワしたら、どんなにゆかいだろう。

ちなみに、卵白は5分ほどミキサーでミキシングすればだいぶモコモコしてくるのだが、今回は10〜15分ガマンして泡立てることにする。それ以上は止めておく。なぜならミキサーに「10分以上連続して使わないでください」と注意書きがあるのだ。煙が出てきたらどうしようとぼんやり考えつつ、材料が飛び散ることを考え風呂場で作業だ。


飲み屋で誕生日にいただいたのがまだあった。
ブイーン・・・混ぜるとさらに沸き立つ酒の香。
10分後・・・。だめじゃないの。
見た目全然変わらない。

でも、味はもしかしたら変わっているのでは?と利き酒に入る。


・・・。

もともと自分は、「酒は飲めればなんでもいい」ほうなのですが、混ぜたほうがきつさがゆるんで、水により近い味わいのような気がする。というか、香りが飛んでしまった、ということか?台無し、か?

まあいい。今回は味の変化にはフォーカスせず、どんどん行こう。1回で15分泡立て、いちいちきれいに器具を洗わないといけない。


シャワーカーテンに日本酒の飛沫。
めんどくさいが材料が混ざると台無し。

 

目指せスタバ

・・・とは思っちゃいないが、コーヒー類をかくはんしたらどうかというのは誰しも思いつくところ。なので素直にやってみよう。


でもいきなり無糖から。
お、まさかの泡立ち!
しかし泡、耐久力なし。

 

味も全然変わらず。まあいい。次に控えしは、いかにも泡立つんじゃないかと期待させる、カフェラテだ。


今回いかにもコンビニでそろえましたという品ばかり。
ぐわわーーーーーっと、期待を込めたのだが。
誤差の範囲でした。

混ぜてる間も、「泡立つ気がしねぇ!」と心の中で何度も叫んでいた。カフェラテでこれだ。この先が思いやられる。しかも次に選んだのは味噌汁なのだ。

 

和洋スープ泡立ち対決

実験やってる自分も「こりゃないだろ」と思いつつ挑んだ、味噌汁。具をわざわざ隔離してのエントリーだ。


1日たったドロドロのわかめが好きなので、明日が楽しみだ。 「あさげ」だけどな。
結果はご覧のとおり。芭蕉の句「古池や・・・」をそらんじたくなる。
これも泡立ったら楽しいだろうなあと思って。コーンはやはり隔離。
お、これは普通に泡立ちました。

コーンスープに至っては、味が軽くなった気がする。いや、味自体は変わらないのだが、「物の味は形状にも左右される」のであるから、このような方法によっても新メニュー開拓の余地はある、ということだ。

 

お約束か否か?

危険だ。でも試さずにはいられない、と思った。炭酸モノだ。

飲み屋でも、ビールの入ったジョッキに箸をとんとん突き刺すと、すごい泡が出てくるだろう。また、炭酸飲料の缶を事前に振ってから開けると、えらいことになるだろう。この場合は、どうなるだろうか。


イエス、コーク。
この辺で気がついたんですけどね・・・。
ガス、空気中に飛散したらしい。

私はバカか。ガスの逃げ場をふんだんに用意して泡立て、「泡で風呂がいっぱいになってアメリカ映画みたいになったらどうしよう」って心配も何もないもんだ。

・・・気の抜けたコーラは、牛肉のコーラ煮にでも使おう。

続いて、豆乳。牛乳が飲まれなくなって業界が深刻な状況にある中、うちにあったのがたまたま豆乳だったのでご勘弁ください。


予想はできそうだがいちおう試してみます。
やはりね。

飲んでみた。うん、甘ければミルクセーキ、だね。普通においしいよ。

と、ここで「よく考えたらジューサーとか使ったほうが楽だったのでは?」と気づいたのだが、出発点が「ハンドミキサーで泡立てたメレンゲ」だった。運命とはそういうものだ。

 

さて、ここからがメインでス

ス。お酢である。用意していた中で、正直言って期待していなかった「もろみ酢」。飲みやすいので風呂上りに飲んでいる。

少女漫画とかのオーディションで、最後に遅刻してきた冴えない子に 「まあ、やらせてみてもいいんじゃないの?」 と机に足を乗っけて指示するプロデューサー気分で、泡立てを開始した。


「まあ、主役はもう姫川で決定なんだけどね」(写真とキャプションは関係ありません)
泡立てて1分でこの立ち上がり!
あまつさえ10分後、ツノも立った!
クレンジングフォームのCMか。
元が同じものに見えますか?

なんだなんだ!何?あの子?どこの子よ!キィーッ!

もろみ酢、泡立てたら大爆発。そんな状況、予想なんてつくものか。ああ、びっくりしてアワてたよ。

なめてみたが、やはりお酢の味が少しやわらかくなってる、気がした。あくまで「気がした」、なんだけど。

こうなったら他のオスではどうか、試してみたいじゃないか。「艶男(アデオス)」を探せ!


洋物、ビネガーですが・・・
この有様。
「やずや」のですが・・・
泡は立つけど、ツノは立たない。平坦な泡。

3つの酢の原料を見ると、

もろみ酢:米こうじ、三温糖、黒糖、酸味料、クエン酸鉄ナトリウム
白ワインビネガー:ぶどう果汁、アルコール
やずや :米、麦胚芽

なんだろう。もろみ酢にだけ三温糖など入ってはいるが・・・。泡を持続させるにはある程度の粘り気とか、糖分とか必要なのだろうか。

と、結局よくわからなくて恐縮なのですが、このスイーツ風もろみ酢の写真で終わりたいと思います。


誰かにだまして出してみようか。

 

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