デザートで確かめる
今回の実験のシメはデザートだ。
豪華に手作りプリンとしゃれ込んだ。
普段のボクはあまり甘い物を食べない。
たまに食べたくなっても、たとえばチョコレートなんかだと、ひとかけら食べるともう充分満たされる。
だからきっと、プリンもこのヤクルトサイズがボクにとってはちょうど良いだろう。
なれない作業に戸惑いながらも、プリンの液をヤクルトの容器に流し込み、冷蔵庫で冷やして完成させた。
完成したヤクルト型プリンは、どういうわけか(いや、考えると当たり前なのだが)見た目がヤクルトにそっくりだ。
それだけでなぜだかうれしい。
なかなかの出来映えに気分良く、よし食べようと思ったのだが、困ったことにヤクルトの口が小さくてスプーンが入らない。
箸ですくって食べようかとも思ったのだが、そこで奇跡的に良いアイディアがひらめいた。
容器をカッターナイフで切り開いて食べれば良いのだ。
我ながら素晴らしい思いつきだ。
文字通り、困難を切り開いて進む姿勢に心打たれた。
心打たれるあまり、力みすぎてプリンを少し切ってしまったが、味には影響ないだろう。
ぶじ切り開くことに成功し、今度こそ完成したヤクルト型プリンは、わずかな時間しか自分の力で立っていられない。
一瞬の隙をつき、勢いをつけて吸い込むと、ほんのり甘いプリンが口の中に広がる。
うまい。
そして、ものすごくちょうど良い量だ。
まるで、ボクの甘味中枢に合わせてあつらえたような ちょうど良さ。
これはまさにプリンのオートクチュールだ。 |