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コネタ


ウイルスの恐怖展 連動企画
 
実家にオレオレ詐欺

孫を装って老人たちを狙うオレオレ詐欺。電話口で「おれおれ、事故に遭ったからお金を振り込んで!」などとうそぶきお金を振り込ませる卑劣な犯罪だ。最近では、電話口に別人を登場させて信ぴょう性をアピールする等、その手口は益々巧妙化している。驚く事に今年1〜9月の被害額は、129億円にものぼっているとか。

これは他人事じゃない!
特に、僕の母親は大丈夫だろうか?

心配になったので、おれおれ詐欺になりすまし実家に電話をかけてみる事にした。
どうか引っ掛かりませんように。

( text by 住 正徳

今回のオレオレ電話、林さんにもおつき合い願った。
1人きりで実家にオレオレ電話をかけるなんて……、想像したたけでも切なくなってくる。

電話をかける前に、まずは僕の母親を紹介します。
1943年3月1日生まれ、うお座のA型。川崎生まれの川崎育ち。高校を卒業と同時に某ペンキメーカーに就職、そこで父親と出会い結婚。2人の男の子に恵まれ、現在に至る。

というか、何で見ず知らずなおばさんの経歴を紹介されなきゃいけないのか?
そう思われている方も多い事とは思いますが、これからオレオレ詐欺を仕掛けるにあたり、ターゲットの人となりが少しでも伝わればと思っておりますので、もうしばらく我慢してください。

僕の母親の自慢は、若い頃(今から40年前)にエースコック提供の人気テレビ番組「そっくりしょー/美空ひばり編」に出演した事がある、という事です。その時の写真がこれ。


全国から選ばれた5名の自称ひばり
その模様が週刊平凡に掲載された。定価は50円(左上の囲みは表紙写真、モデルは林与一さんと美空ひばりさん)
母。情感をこめて、とキャプションをつけられている
出演記念にもらったサイン。左から清川虹子さん、美空ひばりさん、真ん中は誰だか分らず、右は司会者

「爆発的な人気を続けている読売テレビ“そっくりショー”が、ファン待望の美空ひばりをゲストに迎えて開催された。全国二千名の中からえらばれた代表五名の自称“ひばり”が本物のまえで大熱演(週刊平凡より抜粋)」

似ているとか似ていないとか、そういう事はひとまず置いておいて、自分の母親が「そっくりショー」に出ていたとしたらどうでしょうか? それが例えば幼い頃とかだったとしたらまだしも、22才の時に。「22歳になれば、少しずつ、臆病者になるわ」って年頃なのに(谷村新司「22歳」より)。

僕の場合、ようやくこの年になってみんなの前で言える様になりました。

--

そして林さんのご両親。僕は今年の2月に林さんのご実家にお邪魔して、ご両親にはすっかりお世話になった(林家の食卓)。その2日間、お父さんの止まらない創作意欲には驚かされるばかり。家の中はお父さんの作品で溢れていた。



お父さんの新作、待て待て人形
お面も増えている
鏡を利用した作品。後ろが見える仕組みだ
Z君お面をかぶるお母さん

林さんの携帯電話にはお父さんからの留守電が保存されていて、その音がこれ。

林さんのお父さんから雄司へ

 

自らオレオレ言っているので、今回の仕掛けには引っ掛からないのではないか、と読んでいます。さて、前置きが長くなりましたが、いよいよ実家にオレオレ電話をかけてみます。
一応、ルールとして以下を設定しました。
・決して自分から名乗らないこと
・お金を要求するのはあんまりなので、お米を送ってと言ってみる
・辛くなったらオレオレはやめて意図を説明する

--

林さん、実家にオレオレ

東京から宮崎県延岡市にいるご両親へ。



--あ、おれおれ
「え? 何言ってんのよ」(電話口にはお母さんが)
--いや、おれおれ
「ははは、雄司でしょ?」
--そう、おれおれ(この時点でかなり辛くなっている)
「どうしたの?」
--おれおれ……
「だからどうしたの?」

完全にばれている様なので、ここでギブアップ



--そう、雄司です。すいません、おれおれ言ってお米を送ってもらうっていう企画で…
「お米っていえばこないだのお米、凄くお水を吸うでしょ?(先日、台風で倒れてしまった為安く売っていたという小粒のお米を大量に送ってくれた)」
--うん、そうかも

「住さんの野口英世、見たわよ。大変ねえー」
--う、うん

「で、これは、おれおれ詐欺の企画?」
--そう、タイアップの特別企画で……

この後しばらく親子の会話が続いていた。

という訳で、林さんのお母さんは大丈夫でした。

--

住も実家にオレオレ

引き続き、僕も東京から川崎の母へ。



--おれおれ
「え?」

--いや、おれおれ
「やだっ、まーちゃんでしょ?」(実家ではまーちゃんと呼ばれています)

--だから、おれおれ
「えっ?おれ?おれ?」

--そう、おれおれ、お米送って
「おれおれ? ……えーっ!」

かなり慌てている母の様子が手に取る様に分かったので、ここでギブアップ。



--いや、嘘。ごめんごめん。
「っんもうー!いやだー!寿命が縮まったわよ」

最近、母はすぐに寿命が縮まると言う。

「お兄ちゃんが、おれおれだって!」
弟に報告している様だった。楽しそうにしていたので何よりだけど、ごめんなさい。

--

例え企画でやったとはいえ、オレオレ電話の後味はほろ苦かった。ましてや僕の母親の様に、落ちる寸前までいってしまったらなおさらだ。

ストップ・ザ・オレオレ詐欺!と声を大にして言わせていただき、今回の特別企画は終了です。


編集部より

孫や息子になりすますおれおれ詐欺は許されるものではありません。そしてネット上でなりすましをおこなうのが、コンピュータウイルス。そう、これは「ウイルスの恐怖展」の連携企画なんです。おれおれ、下のバナーをクリックしてくれよ。


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