釣り好きライターと魚チャット対決
メールでの知ったかぶりが思った以上にうまくいったので、すっかり自信を付けてしまった。次のお相手は釣りの記事でおなじみ、水曜ライターの玉置さん。知ったかぶりのフィールドは、魚だ。
ちなみに今回からは、企画の主旨は相手に伝えないようにした。本気の知ったかぶり、玉置さんの魚知識に喧嘩売るくらいのつもりでいってみたい。会話は格闘技だ!
vs
石川 vs 玉置のチャットの様子 (太字部分は知ったかぶり成功)
石川 このあいだの記事のイワシ屋さん、おいしそうでしたね。玉置さん釣りでイワシって釣ります? 玉置 狙って釣ることはないですが、カタクチがたまにかかりますね。 釣るよりも、エサで使うほうが多いです。 石川 (検索:カタクチイワシ)あ、なるほど。いわゆるニボシってカタクチイワシなんですよね? →まずは身近な知識でジャブ 玉置 そうですね めざしとか。 石川 シラスも。イワシ以外で餌に魚ってよく使うんですか? →シラスで再度ジャブ。その後、質問で時間稼ぎ 玉置 サバの切り身とかは普通に使いますよ。 石川 あ、なるほど、切身 →反復して相手の出方を見る 玉置 マゴチを釣る場合は、自分でシロギスとかメゴチを釣って餌にします。釣れたことないですが。 石川 (検索:シロギス)シロギスって死ぬと白くなるんですよね →ここで専門的な情報を投入。ひるませる 玉置 初耳です。どこが白くなるんですか? 石川 全体に赤みがかった灰色なのが、死ぬと白くなるんですよ →同じページから継続して引用 玉置 それは気づきませんでした。そういえばそうかもしれません。 石川 (検索:魚 死ぬ 体色) 反対に、ホシギスは死ぬと斑点が浮かび上がりますよ(検索:ホシギス) →先回りして検索しておき、自分の都合のいい方に話題を引き寄せる。 玉置 ホシギスですか。釣ったことないです。どこにいる魚ですか? 石川 沖縄とかなので、このへんで釣る魚ではないですね →食いついた! 玉置 残念です。 石川 台湾、オーストラリア、インドとか →追加情報で詳しいことをアピール
石川 釣った魚を餌にして、それで釣れた魚を餌にして…みたいな永久機関ってできるんですか? →質問できるのは余裕の表れ 玉置 食物連鎖ですね。できるんじゃないですかね。イワシ釣ってカツオ釣ってマグロ釣って、マグロミンチのコマセでイワシ釣って、とかなら。 石川 (検索:食物連鎖 海)食物連鎖の図式でいうと、最後にはシャチに行き着くんでしょうか →相手の得意分野(釣り)から引き離し、レスポンスを鈍らせる 玉置 シャチとかサメとかクジラですかね。 石川 (検索:シャチ 食物)シャチはクジラやホホジロザメですら食べてしまいますからね →再度、話題をリード 玉置 人は襲われないんですか? 石川 (検索:シャチ 襲う 人)基本的に人は襲わないんですけど、例がないわけではないです。アザラシと間違えられたんじゃないか、みたいな話ですけど →予期せぬ質問に戸惑うも、なんとか対応 玉置 被害者の方も不本意でしょうね。 石川 あとテキサス州の水族館では、ショーの最中に人が襲われた例もあります →冗談を拾う余裕はない。 玉置 調教師がですか?悪口でもいったんですかね。 石川 水中でも音って意外と伝わりますしね →うまい切り返しを考える余裕もなく、うわのそらな返事 玉置 あ、でも超音波で会話するんでしたっけ。 石川 (検索:シャチ 超音波)鼻から出す超音波で会話しますよ →素早く対応 石川 でも水族館だと音が反響するので、かわれてるシャチは無口になりがちだとか。 →追加情報で攻めの体勢に 玉置 へー。無口っていうか、無鼻ですね。 石川 そうですね。水族館のシャチは無鼻。 →うわのそらすぎて、冗談すらオウム返し
玉置 あ、鼻といえば、魚って、鼻の穴いくつあるか知っています? 石川 (検索:魚 鼻の穴)しってますよ。4つですよね →うまく切り返した! 玉置 おお、さすが。 玉置 耳は? 石川 (検索:魚 耳)外耳がないんですよね。耳はあるけど穴はないという感じですか? →決定的な結果が見つからなかったため、半疑問形で返す 玉置 でも側線はあるんですよね。 石川 (検索:魚 側線)側線、側線ですよね →繰り返して時間稼ぎ。その隙に検索 玉置 はい。 石川 (検索:魚 側線)ふつう1本ですが、2本以上もっている魚もいますよ →やっと見つかった情報をこれでもかとばかりに披露。 玉置 それは知りませんでした。なんていう魚ですか? 石川 (検索:魚 側線 2本)たとえばゲンコですね。 →連続技1 石川 (検索:ゲンコ)シタビラメみたいな魚です →連続技2。相手を圧倒 玉置 なるほど。ほかには? →圧倒できず。カウンターにあう 石川 スジアイナメという魚は5本ありますよ →見事に受け流した 玉置 普通のアイナメとは違うんですか?見分け方を教えてください。
(ここでちょっと間が空く)
玉置 あ、わからなかったらいいですよ。 →挑発!? 石川 (検索:スジアイナメ)すみません、ちょっとお茶汲んできます →無理!嘘でごまかす! 玉置 はい 空気が乾燥していますからね。 →やさしさ
石川 戻りました。たぶんスジがあるんだと思います →結局見つからなかったので適当なことを言う 石川 (検索:スジアイナメ)別名はハゴトコです →話をそらす 玉置 スジ…ですか。 →適当がばれてる! 玉置 それが側線なんですね。 石川 (検索:スジアイナメ)ええ、たぶん。硬骨魚綱 カサゴ目 アイナメ科 アイナメ属 スジアイナメです →失敗を取り戻すべく、とりあえず間近にある情報を投入 玉置 なるほど。今度アイナメが釣れたら、よく見てみます。 石川 (検索:アイナメ)あとアイナメの仲間にはウサギアイナメというのがいますね。可愛い名前 →話そらせ、そらせ! 玉置 アイナメっていやらしいですよね。って工藤さんがいっていたような。 石川 (検索:アイナメ 語源)アユに似てるから「鮎並」というのが語源らしいです →よし、ペースを取り戻した。 玉置 へー。似てます?味が、ですか? →しまった!? 石川 昔は似てたんですかね →劣勢なので適当な返事でごまかす 石川 (検索:アイナメ 語源)あ、そういえば、アユのように滑らかなのでアユ滑という説もありますね →別の情報も投入して、挽回 玉置 アユって魚ですよね 石川 はい →ドキッ。挽回失敗か!? 石川 (検索:アユ)キュウリウオ目・アユ科の回遊魚です →話をそらす 玉置 キュウリウオの仲間って、本当にきゅうりの香りがしますよね。 →うまく乗ってきた! 玉置 ワカサギとか。チカとか。 石川 (検索:キュウリウオ におい)なかでもやっぱりキュウリウオがいちばんキュウリっぽいですよ。においが強いというか。 →余裕の対応 玉置 へー。ワカサギしか釣ったことないです。嗅いでみたいですね。
チャットはいける
すげーて!俺デラすげーて!
おもわず故郷の岐阜弁で自画自賛してしまうほどの健闘ぶりだ。上に掲載したチャットの間に、実に26回もの知ったかぶりを繰り出すことができた。文面だけではスピード感が伝わらないのが残念だが、特に調べないで発言している玉置さんと比べても、それほど遜色ないテンポでレスポンスできていたと思う。
玉置さんによる講評も見てみよう。
・調べてるなとは気づきましたが、返信が早かったので「本当に調べているのかな?」って思いました。
・急に身近じゃない話が出てくると怪しい(例:テキサスの水族館)。経験談じゃない感じで。
・単語の羅列は引用っぽい(例:台湾、オーストラリア、インド)
・困ったとき、お茶を汲みに行くことにするのはアリ。ただし2回まで。たくさん行き過ぎると怪しい。
・途中から「あれ、石川さんって魚くわしいんだ」って思ってしまいました。本当はさかなクンが隣にいるんじゃないかとか。
次は最終決戦、電話編だ。