神社の境内で
T区、K神社の境内にも、ネコがたくさんいると聞いてやってきた。
神社の入り口には、
「猫にえさをあげる方は、後始末をきちんとして下さい」とのはり紙があった。つまり、猫の存在そのものは、認めてるということだ。
静かな境内の中に入ると………いた。売店のそばに、シマブチネコたちが3匹、ぼうっと座っていた。
売店は、店じまいのまっ最中だった。雨戸がガタガタと閉められる。
ネコはそわそわしていた。
戸を閉めると、店主は奥のほうからネコのゴハンを、皿4つに盛ってきて、置いた。
ネコは一斉にかけよる。
しかし、匂いをくんくんとかぎ、かぐだけかいで、口をつけようとはしない。
「ぜいたく言うんじゃないよ。それしかやんないよっ」
店主はそういって、帰ってしまった。
皿を前に、お互いの顔を見合わせるネコたち。
マイペースなネコたち
近寄って見てみると、エサの種類は4種類もあった。それぞれの皿に、別のキャットフード。
ネコは同じキャットフードを与え続けると、急に食べなくなる時がある。店主も充分、気をつかっていたのだ。
でもネコは食べない。
私はネコに話しかけてみた。
「あの……ゴハン食べないくらいだから、このジャーキー………要らないっすよね?」
ネコは一度匂いをかぎ、なめたが、やはり食べなかった。不評。
しばらく眺めていた。
ネコたちは、愛想をふりまかず、かといって逃げることもせず、ウンチしたり木で爪をといだり、バケツの水を飲んだりして、マイペースに適当に過ごしていた。
しばらくして、
「まあいいか、このゴハンでも、仕方ないよなー」
という感じで、1匹がゴハンを食べはじめた。
|