さまようお父さんの想い
飛行場の脇には公園がある。滑走路の向かい側にも公園があって、そこから着陸する飛行機が間近で見れる。
子供連れがたくさん来ていた。そこで共通しているのは子供よりもお父さんが飛行機に夢中になっていることだった。
こどもは飽きちゃって転がったりしてるのだが、お父さんは柵にかぶりつきで飛行機を見ている。
やっぱりあのお父さんの頭のなかにもライドオンタイムが流れているのだろうか。
「キムタクのお父さん役でいかりや長介が出てきたときはびっくりしたな………」
と思っているのかもしれない。というかそれは僕の感想だ。
お父さんは興奮気味に「あ、ヒロシ(こども)、むこうからまた来た!」と叫んでいた。
ヒロシくんはもうどうでもいい感じだった。
犬を散歩中のおじさんもふたりぐらいいた。やっぱり犬も退屈そうだった。
犬やわが子をほっぽって飛行機に夢中になるおとな。その気持ち、わかるよ!と僕も後ろからテレパシーを送っていた。
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