仕事をしてはいけません
18:00時、映画が終わって、1大森ベルポートにあるニフティ株式会社へ移動した。
夜にデイリーポータルの企画会議が入っていたのだ。これも急遽決まったスケジュールだった。「明日、絶食中なんですけど」とニフティ林氏に相談したのだが「そうですかアハハ、じゃあ会議中のようすも載せましょう」と言われた。「そういえば、旅行から帰ってきたデザイナーの荻原さんが、お土産のお菓子を持ってくると言っていましたよ、楽しみですねえ」とも言われた。ムカー。
会議中は、頭がもわん、と痛かったが、つとめて平静を装った。長い会議の間、
「自分のテンションは変じゃないだろうか? 仕事のクオリティが落ちてないだろうか? 変なことを言ったりしないだろうか? っていうか、なんだかもう錯乱して、机の上に乗って、サザエさんの次回予告の踊りみたいなの、踊っちゃったらどうしよう……あの果物にはさまって踊るやつ……」と、わけのわからないことを考えていた。
「今度絶食するときは、絶対に仕事は入れないようにしよう…でも断食なんて、今後するだろうか?」
デザイナーさんは急遽欠席で、お菓子の誘惑からは間逃れた。
断食反応の夜
コンビニやオリジン弁当の、食べ物アップのポスターをの誘惑をふりきり、帰宅。取り敢えず体重計に乗ってみた。
200グラムしか減っていなかった。
「こんなにツラいのに………」途方に暮れながら、水をガブガブ飲みすぎてるせいだろうか、と考えた。
体脂肪率をはかってみると、26.0%から22.6%に減少していた。
急にこんなに減るはずがない。これも水を飲み過ぎてるせいだ、と考えた。体調が落ち着いたら正確な数値が出るだろう。
でも、体内が変化しているのは間違いない。
仕事の続きをやっていると、こめかみが痛みはじめた。頭を誰かにしめつけられているようだった。
「断食反応」というやつなんだろう。これは断食によって起こる不快感(吐き気、頭痛、動悸、発汗、めまい等)で、個人差があるという。
「食べなくても、意外と全然平気だった!」という方もいるようだが、私はダメであった。ダルく、頭が痛かった。時々、動悸もあった。
試供品でもらったハーブティを飲む。暖かいハーブティがやたら美味しく感じた。普段なら、どっちかというと「マズイ」ように感じるのに……。
なんとか仕事をこなして、横になる。
頭の中に、食べたいものを想像してみた。
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肉のうまみが溶け出したスープ系のもの(韓国料理のサムゲタン、喜多方ラーメンのスープなど) |
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とんかつのはしっこの脂身、ひとくちだけ(ひとくちだけでいい、でもソースはたっぷり) |
昼間は断然甘いものが食べたかったのに。どうして肉の汁なんだろう。
アフリカの飢餓地域の子供は、毎日、こんなにツラいのかなあ、そりゃキツいわ………とかも考えた。
眠るのは、1日目よりラクだった。ダイコンにケチャップかけて食べるような体力も気力もなかった。
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