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特集


はっけんの水曜日
納涼!ヘビセンター

一向に暑くならないこの夏、納涼の必要もないかも知れないがここはひとつ「ヘビ」でいきたい。なぜ今ヘビなのか?それは私が行きたいからです。

この夏、蛇に巻かれていろいろとひんやりしたい。他人の理解などいらない。カミセンもいいけど、ヘビセンだ。

(text by 乙幡 啓子


かぁーわいーい。

デュワー♪ジャパーンスネークセーンター♪

ヘビケン。

堂々「ヘビセンター」と書いてある。

取材前夜

出発前、取材の同行をほうぼうに願い出たのだが、次々に断られる。

なんでですか。ヘビ、私けっこう好きでして、道でゴールデンレトリバーやミニチュアダックスを見かけたらきゅうっと出てくる物質が、ヘビやトカゲを見た時も出てくるくらいだ。だいいち顔がかわいいじゃないか。丸い目、ちろちろ出る舌、笑っている口元。

ぜひ皆さんにヘビ好きになってもらおうと、ヘビ嫌い代表のYさんになんとか同行してもらうことに。

ヘビセンターは、私のふるさと群馬にある。だがなぜか行ったことはない。正しくはスネークワンダーランド(ジャパンスネークセンター)という。

しかし、まあ、主題が「ヘビ」だけあって、電話に出られたヘビセンター担当の方のコメントも微妙な雰囲気だ。
「今夏休みで、しかも取材予定日は日曜だから、混んでますかねー?」
「まあ、晴れてる日は皆さん、海とか山とか行かれて、あまりこちらには来ませんしねえ・・・このところ曇った日が多かったのであれなんですが・・・それでもすごく混んでる、ってことはありませんねえ・・・」
「あははは、はあ・・・」

「じゃ日曜にしましょうか。イベントがたくさんあります」とのご返事。
「たとえばサイドクですとか・・・」
「サイドク?」
「はい、採毒。あとニシキヘビを巻きつけて写真撮影とか、ヘビのお食事タイムとか」
「あははは、はあ・・・」

子供のころから「ヘビセンター、ヘビセンター」と呼んでいた。「あの山の向こうには恐ろしい竜がいて、いたずらっ子を食べちまうんだと。」のような語られ方で、その場所が認識されていた気がする。しかし子供間では結構人気があった、ような気がする。

そういえば父も子供のころに行ったことがあると言っていた。
「あそこは、くさいぞー」
「ヘビ料理食べて来い、マムシ料理」
ろくなことを言わないが。

私は何かとんでもないところに行こうとしていないだろうか。

だけど、そこは、いい意味で期待を裏切ってくれた、まさにワンダーランドだった―。



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