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ロマンの木曜日
楽屋探訪、お邪魔シマス
熊沢パンキース03のステージ前にて

僕の20年来の友人、俳優の田辺誠一が劇団・大人計画(主宰:松尾スズキ氏)の舞台に出演している。前回「一番前からコンニチハ」では映画監督・田辺誠一として作品の話を聞いた。今回は俳優・田辺誠一から舞台に対する意気込み等を聞いてみたい。
緊張感溢れる本番前の楽屋にお邪魔して話を聞いてきた。田辺誠一シリーズ第2弾。

(text by 住正徳

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下北沢、本多劇場

本番前の楽屋、台本を読む田辺誠一

ちょっとお邪魔します

カメラ?

本番前のひとときに

今回、田辺君が客演主役として舞台に立つ大人計画は、その人気から今最もチケットを取り難い劇団として知られている。7/30から8/17まで、下北沢は本多劇場で公演している最新作が「熊沢パンキース03」。作・演出をテレビや映画の脚本で人気を集めている宮藤官九郎氏(大人計画)が手がけていて、今回の作品は宮藤氏によるウーマンリブシリーズの7作品目にあたる。

 

過去に蜷川幸雄氏演出の舞台に2度立った経験のある田辺君。今回の大人計画の舞台ではどんな表情を見せてくれるのか?
本番4時間前、既に会場入りしている田辺君から舞台への意気込みや近況を聞く為、楽屋を訪ねた。

 

6畳ほどの部屋には本番前の緊張感が漂っていた。
台本に目を通していた田辺君に少し遠慮気味に声をかける。

「お邪魔しまーす」
舞台が始まってから2週間近く、そろそろ疲れが出ている頃かと思ったが意外と元気そうだ。

スミ「悪いね、本番前に」
タナベ「全然全然」

台本を閉じ、僕の方を向く田辺君。

スミ「結構元気そうだね。バテてるかと思った」
タナベ「ちゃんと食べて、生活のリズムを作ってるから、今のところ大丈夫かな」
スミ「そうか、ノドとか風邪とか気をつけないとね」
タナベ「そうだね、まだ先は長いから、体調管理はしっかりしないとね」

東京公演は8月17日(日)までだが、その後大阪に場所を移し8月20日(水)から1週間の公演をこなす。全部で33公演、彼の暑い夏はまだまだ中盤だ。

机の上にはボロボロになった台本やノド飴等があり、演劇の楽屋らしい臨場感がある。そんな中、見慣れない形のカメラがあり目がいく。

スミ「これ、カメラ?」
タナベ「うん」

一瞬、田辺君の目の奥が光った。

タナベ「ポラロイドカメラ」
スミ「へぇー、舞台の小道具とか?」
タナベ「いや、違うよ」
スミ「ん?」
タナベ「あれ?、興味ある?これね、凄く面白いよ」

田辺君はカメラを手に取り、嬉しそうに語り始めた。



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