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特集


フェティッシュの日曜日
 

大きな帽子を作ろう

僕はあたまが大きい。

市販の帽子はたいていが入らない。ニットキャップをかぶると頭を怪我した人のネットみたいになる。

どうせ僕に入る帽子なんてないのさ……といたずらに世間を恨むより、ならば自分で作ってみせようじゃないか。

編み物の経験もないけれど、情熱だけなら誰にも負けない。毛糸のおしゃれニット帽をつくるのだ。冬のおしゃれ番長の称号は僕がいただくぜ。(text by 林 雄司


ユザワヤで買ってきた毛糸と道具一式。
 
写真
おしえてもらう。ドキドキ。
  
写真
??早くも泣きそうな表情
 
30分かけてこれ。

ついに逃走。(毛糸を持ったまま)

編み物アドレナリンがドクドクでるよ

蒲田にある手芸の店、ユザワヤで毛糸を購入。毛糸売り場にはサンプルとして完成品のニットキャップやセーターがかけてある。こんな売ってるみたいなものが作れるなんて。

あら、ちょっとステキじゃなーい

などと、おばさんみたいなセリフも出てきそうになる。やる気はドクドクと出て、気づけば毛糸と道具一式で1万円近くになっていた。

はやく編みたい。

アドレナリン、早くも途切れる

木曜担当ライター、住さんの事務所を借りて編み物大会だ。

編み物マスターとして、角川書店の印田さんに指導いただく。

「親指にかけた毛糸を下からくぐらせて、こうやって……」
「こうですか?」
「逆です、逆」
「?」
「この糸のあいだを通します」
「???」

5分後、なんとかひと目編むことができた。

「そうです!よくできました!パチパチパチ」
「飲み込みが早いです!」

拍手をしてほめてくれる先生。しかしなぜだろう。その気遣いがなんだか申し訳ない気分になってくるのは。

……。(回想シーンに入ります)

「先生はね、林君が寝坊するのは何か原因があると思うの」

(回想シーンおわり)

中学校のとき、大学出たばかりの先生に呼ばれて言われたことを思い出す。いや、いいんです。僕がただ怠け者なだけですから。焦って尻の下がじりじりしてくる。試験終了5分前、もしくは8月31日の夜みたいな気持ちだ。

30分後。ようやく「作り目」という1段目ができた。ニットキャップは50段必要だ。単純計算で25時間。ちなみにこの時点で11月7日16時。あしたの11時にはページをアップしなければならない。

ついに逃げ出す

「僕、ちょっとジュース買ってきますわ」

ジュースを買うコンビニがすごく遠くにあったらいいのに。そんなことを考えるがコンビにはすぐそこだ。

ユザワヤでのやる気はどこに行った?このままニットキャップに縁のない一生でいいのか?自分を追い込むようなことを考えるが、「なにくそ」という気持ちは沸いてこない。

出てくるのは半笑いだけだ。

 

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