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はっけんの水曜日
 
ギャルになりたかった

参考図書。

実はギャルになりたかった。

私は10代〜20代を、ショートカットとジーンズで過ごした。なんか化粧するのが恥ずかしかったんである。口紅なんか付けた日にゃあ落ち着かない。胸を強調する服もイヤで、わざと小さなブラジャーをしていたこともあった。ピンクも着れなかった、基本は黒と青い服。靴はスニーカー。説明すると暗く深くめんどくさ〜い話になるのでしませんが、まあその、よくある、悩める少女時代だったわけです。

そして時は過ぎ、今では若い娘とはいいがたい年令に。
「ああ、女子らしい、女子丸出しの、可愛い格好をして、街を歩いてみたかったなあ」というしこりが残っていたので……思いきって、ヤングギャルのコスプレを体験してみることにしました。

ああ、どんな感じがするんだろう。

(text by 大塚幸代


着替え前の服。まっくろです。
ジャムピクシー前。
タカセさん、挫折。

渋谷へ

「渋谷はちょっと苦手〜」と昔、広末涼子も歌っていたが、私も渋谷は苦手だ。オシャレな若者以外は来るな、という無言のプレッシャーを感じる。

そんな渋谷にギャル服を買いに行った。前日には『Sカワイイ』を読んで、イメージトレーニングした。
「Bガール(ヒップホップ系の女性ファッション)っぽいオネギャル(コギャルよりやや洗練されたお姉さんファッション)になるには、こんな、こんな感じだろうか……ウウム」
頭の中はコーディネート例でいっぱいだ。

本当はマルキュー(109)などで買い物がしたかったのだが、予算の都合と、「いきなりあんなとこで買い物する度胸がない」という理由で、宮益坂にある有名激安ギャル服店「ジャムピクシー」まで行ってみた。
『王様のブランチ』で紹介されているような店だ。

おもしろがって友人2人、タカセさんとR子さんも参加してくれた。ふたりとも「女子らしい格好丸出し」をしてこなかった、30代女性だ。

3人で店内に入る。パンツが490円くらいから売っている、ほんとに安い。ジャンパーも2000円、ミニスカは980円だ。

「うわーやっすいねええええ」
「よっしゃーー、買うぞう」

女子中高生の客に混ざって、一生懸命服を吟味。

……気が付くと、タカセさんが、目を点にして、服をつかみながら「あうあう」とうめいていた。

「どうしたんですか?」
「ああああー、頭が真っ白になって……いまパニックに。私ダメです。ギャルになれません……」

私と同じようにボーイッシュな彼女には、ギャル服は強烈すぎたんだろうか。タカセさん、早くもリタイアだ。

 

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