とけこんでみる
さあ、街に出よう。
私とR子は、早足でTレコードからセンター街まで歩いた。目指すのはゲーセンのプリクラマシーン。
うしろから、タカセさんがニヤニヤと距離を置いてついてくる。
しかし、一歩一歩歩くごとに変な感情が湧いてきた。
「……ねえ、R子」
「なに」
「なんかさあ、すっごい恐いんだけど、恐いっていう感情が湧いてくるんだけど、なんでだろう」
「んー……ギャルにとって渋谷が魔のスポットだからかねえ」
「狼の群の中に、ひつじのコスプレしていくような感じかなあ」
「……まあねえ、あとの要因としては」
「うん」
「ものすごーいバカなことしてる、っていう自分が恐いんじゃないの?」
「そ、そうか、そうね……あああああ」
私たちはキャッチに声をかけられながらも、無視してプリクラ屋に到着。
最近の機種は昔と違ってものすごい、という話は聴いていたけど、確かにデカいし背景はあるし照明も強くて美肌に撮れるし、落書き機能も充実しているし。
とまどいながらも撮影終了。
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