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特集


ちしきの金曜日
 
ダジャレ現実化プロジェクト

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また模索中
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『スキー、大好きー…』
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『マスカラつけてますから』

ダジャレ自分革命

いよいよ無理が生じてきた今回の試みだが、内面的な部分で折り合いをつけなくてはならないダジャレもある。私の場合、『スキー、大好きー!』がそうだ。スキーは別に好きじゃない。

再現のためにスキー旅行のパンフレットをもらってきたが、どうしたらいいのかわからない。

ダジャレ再現のためには、時として本当の自分を偽ることも必要。それを厭うつもりはないのだが、どうしたら好きっぽさを出せるのか。

とりあえず、口に出してみた。『スキー、大好きー!』。

…まだ迷いがある。心からダジャレを言っていない。本来、楽しむべきものであるダジャレだが、今回ばかりは自分の内面に重くのしかかってくる。

 

新しい扉ひらいて

基本的にダジャレというものは門戸の広いものだが、メンタルな部分はともかく、中には性別に関わるものもある。男である私にとっては、『マスカラつけてますから』がそうだ。

一度は言ってみたい魅力的な響き。成立の自然さといい、名ダジャレのひとつだ。

そんなダジャレを男だからといってあきらめるのはあまりにもかなしい。そうだ、つけてしまえばいいじゃないか。早速鏡台からくすねてきた。

マスカラを手に、自信を持ってきっぱりと言う。『マスカラつけてますから!』

まさにその通り。行動でしっかり示すことで、ダジャレを忠実に現実化。そこに余計な疑問が介入する余地はない。




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ダジャレの旅の果てに伸びるまつ毛

現実化により増幅される脱力感

鏡にうつる、まつ毛の伸びた自分。心なしかいつもより目がぱっちりしているように見える。これがダジャレ現実化の果てに見た自分の姿だ。

すでにダジャレというものが幅広く普及した今となっては、ダジャレに心から笑う人はいない。いたらむしろやばい。そこにあるのは約束された半笑いと脱力感。それが人間関係の緊張をほぐし、和やかさを演出する。それでよいのであり、それがダジャレの果たす役割なのだろう。

今回の試みでわかったのは、実際にダジャレを再現してみると、その脱力感がますます増幅されるということだ。

『マスカラつけてますから!』などとはしゃいで言っていた自分を、鏡の中のまつ毛の長い自分が、何をやっているんだと戒める。ほんとにやるバカがいるかと、自分でも思う。

増幅された虚脱感はどこにもやり場がないからむなしい。これからはあくまで自然な形でダジャレというものと付き合っていこうと思う。


 

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