デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


ひらめきの月曜日
 
未知の道具との遭遇


ギタースタンドのようでもある
やけど知らず!

無闇に使ってみる

左は「リッドリフター」。ダイナミックにねじられた持ち手部分が豪快だ。重量感あふれる見た目通り、ずっしり重い。多分これで金庫を破壊したらニュースでは「バールのようなもので」破壊したと言われるんだろう。たまらんですな。

実体はアウトドア用調理なべ、ダッチオーブンの蓋をてこの原理を利用して持ち上げる蓋開け器だ。言われなけりゃあ一生何に使うかわからないよ。孫の手にするにも重すぎる。

用途がピンポイントになればなるほど、その実体が何なのか分からなくなっていく。造形の意味不明さは用途の幅の狭さに比例する。

まあ、そんなことはともかく、リッドリフターを使って早速私もダッチオーブンの蓋を開けてみよう! あ、しまった。ダッチオーブンを持ってない。仕方がないので、家のフライパンの蓋を開けてみた。

わーい! フライパンの蓋が楽々開いたぞ! 無邪気に盛り上がってみる。が、せっかくダッチオーブンの蓋を開けるためだけに生まれてきたのに、これじゃあせっかくのリッドリフターが気の毒だ。俄然ダッチオーブン本体が欲しくなってきた。

ダッチオーブンが先か、蓋開け器が先か。卵と鶏みたいだ。いや、この場合、明らかにダッチオーブンだろう。


参考1:コーンカッター
魚の目や足の角質をとる道具
参考2:ポイズンリムーバー
蚊や蜂に刺されたとき、毒素を吸引する道具

道具マジックにかかる

そういえば、以前カニの食べ放題に行ったとき、店に用意されていたカニバサミが余りにも使いやすく、満腹になってもカニバサミ使いたさに無理してカニを食べ続けたことがあった。

ダッチオーブン開け器を手にしてダッチオーブン本体が欲しくなるように、道具を目の前にすると使ってみたくなる。

魚の目ができたり、虫にさされたりのネガティブな状況も、それを解消する道具(参考1、参考2)さえあればむしろウェルカムだ。

鼻パックが流行って以来、小鼻の角栓の出現が喜びに変わったのも同じ原理か。

何だろうと思って、うっかり手にとった道具、フライドポテト用のジャガイモとかチーズをカットする「波形カッター」だった。

ああ、もう切らずにはいられない。 これはいわば道具マジックだ。

波形カッター。魔性の道具。
リンゴも豆腐も羊羹も蒟蒻も
リンゴ芯抜器
SFっぽい造形もすばらしい

リンゴを一瞬にして8つ切りにする道具なんてのも見つけた。うがー、リンゴ切りたい! 食べたいんじゃなくて、切りたい!

履いたら最後、足を切断するまで踊り続ける「赤い靴」みたいだ。持ったら最後、手を切断するまでリンゴを8つ切りにしつづける。こわい。

何に使うのかよく分からない道具には使ってみたくなる欲望を煽る麻薬的効果があることが分かった。


 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.