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特集


エキサイティング火曜日
 
学校の銅像めぐり

合格発表も終わり、大学はこれから新入学の季節だ。桜も咲き始め、自分の入学したときのことなど思い出す。

ところで、私の出た学校には「創立者の銅像」というものが存在しなかった。そのかわり創立者のお墓が学内にあり、入学式のあと、母親とお参りした。

そこにお参りすると婚期が遅れるというジンクスを知るのは、ずっと後のことだった。

まあそれはおいといて、銅像のある風景ってどうなんだろう。台座にはやはり青春の落書きとかあるんだろうか。像には失礼なガム貼り付けとかあるんだろうか。ハナ肇みたいに。

と勝手に想像し、銅像まわりをしてみました。

(text by 乙幡啓子



慶應義塾大学

まずは福澤さんに会いに。

慶應大学、三田校舎。どんどん進んでいくと、奥に東京駅みたいな建物がある。その玄関脇にひっそりと、安政5年(1858年)に慶應を創立した福澤諭吉の銅像が建っていた。

有名大学の有名人の像にしては、すごく控えめに建っている。在学生でも、もしかしたらパッと場所を思い出せない人もいるんじゃないだろうか。

落書きを探したが、まったくない。石の表面がツルツルで、書こうとしても困難なのだろうが、お行儀のいい学生のようだ。そして立派な半身像だ。


派手目の洋館の玄関脇に・・・
このように建ってる。
きれいに手入れされている。
合格者の家族?

春休みなので、学内は閑散としている。が、合格者の家族らしき人たちが、ぽつぽつとタクシーでやってきては、記念の写真を撮っていく。

自分の家族も、あんなふうにささやかに晴れがましい気分を感じていたはずだ。今の自分を思うと申し訳ないよ。良すぎる天気がよけいに胸を刺す。

早稲田大学

東西線で早稲田に移動。事前調査では、たくさんある敷地のどこに銅像があるか不明であったが、大隈講堂方面に行けばなんとかなるだろうと判断。

守衛さんに聞く。「門からまっすぐ行けば、突き当たりにすぐありますよ」と言われたとおり、門からまっすぐ奥を見たらもうデンと建っていた。これ以上ないくらい堂々と。明治15(1882)年に早稲田大学を創設した、大隈重信だ。

像がでかい。それに植え込みも大きく囲んでいて、手を出すのは困難のようだ。

実際、植え込みに猫がいたので首だけ突っ込んだら、こめかみに枝が刺さって痛い思いをした。情けない来訪者。

落書きはここもまったくなし。あれ?


実物を見るのは初めてです。
見よ、威風堂々。
しかし、角帽にマントだ。生徒みたいだ。
後ろから見てもでかい。ブラジルのコルコバードの丘のキリスト像みたいだ。

 

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