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エキサイティング火曜日
 
豆本の世界へ

リリパットのたたずまい。

西洋豆本の世界

日本唯一の西洋豆本専門店、外苑前「リリパット」さんにお邪魔した。宗教書から児童本まで、欧米の古刊豆本と、戦後アメリカの私家版豆本、東欧の豆本等5000タイトル・1万点の品揃え。

映画「ネバーエンディングストーリー」に出てくるような西洋の古い本屋、という雰囲気。本の精が出てきそうな。

では以下、説明をまじえつつ、豆本をご覧いただこう。

豆本とは、本の天地3インチ(75mm)以内のものを言うのだそうだ。
「産業革命後、列車での旅が行われるようになり、持ち歩く必要から豆本が盛んに」と、店長小沼さん談。
作者の本業は歯医者さんだったり。非常に納得。(このトレイのものは天地がだいたい20mm)
「WILD FLOWERS」 エッチング集。こんな小さいものを版画で!しかも活版印刷。ということはこの小ささの活字が彫られているということ。
(マウスオーバーで中身見えます)この妙な豪華さは、プレスリー本。何でこういうものを豆本で?
(マウスオーバーで中身見えます)卵に関する格言集を、卵型で。
(マウスオーバーで中身見えます)なぜか半円形の本。ご丁寧にケース付き。
ブックエンド!!役には立ちません。でもこれだけでも欲しい。
背中合わせの本。英語版と、フランス語版。右は大きさ比較用の10円玉。
本の小口(切断面)隠し絵の本。中は開けないそうだ。
ガラスケースの中にはマイクロブック(天地10mm以下)。

こういう本はだいたい多くて100部発行、特装本だと20部くらいになるという。そのへんの希少価値や、保存状態で値が違ってくるのは、骨董などと同じだ。

この店のものはだいたい10000円前後のものが主流。「お客さんも、好事家のかたが多いです。」と小沼さん。マニアックなお店ということを自覚しつつ、淡々と、でも膨大な知識の片鱗をのぞかせつつ説明される。

しかし最近は、作者が高齢化し、細かい作業がつらくなって引退されるケースも多いという。若い豆本作家は少ないそうなので、今からでも挑戦してみたくなった。

西洋豆本の店 リリパット

東京都渋谷区神宮前3-1-24ソフトタウン青山1階
(地下鉄銀座線外苑前徒歩5分 キラー通り千駄ヶ谷方面沿い)
TEL/FAX 03-3470-2020
月〜土12:00〜19:00 日曜祭日休
https://www.japonica.co.jp/lilliput/


 

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