「うーん、今日はじめて口にしたものがイカだんごって、どうなんでしょう……」 「しみますね、胃に。でも、おいしいですよ。もぐもぐ」 「ビール飲みたくなりますねえ」
イカ屋さんのすぐ先は、朝市の会場だ。人でいっぱいだ。
しかし、想像したほどの規模ではなかった。小学校の体育館1コ分くらいのスペースに、簡易店舗が並んでいる。 一応、テントの屋根がついていた。
「なんだろう、このキュウリ……?」
いきなり、パースが狂ったような野菜がん並んでいた。 写真では分かりにくいかもしれないが、通常の3倍くらいの太さがあるキュウリが、山もりになっている。
他にも、見たことない野菜など、とにかく量が多くて安い。
もちろん、魚も安い。
とくに旬のサバは安かった。
タイ1尾千円。
「おねえさんおねえさん、写真なんか撮ってないで買っていってよ! 魚の出演料とっちゃうよ! あははははは」 魚を売っているお兄さんに声をかけられていじられて、曖昧に笑顔で返す私。 そうだ、よく考えたら、私はこういうノリは、憧れているけれど苦手なのだった……。
生魚のほか、干物やら、その他加工品やら……。 ほとんどが試食させてくれた。 「ね、おねえさん、食べていってよ、おいしいよ!」
ジャコ・ジェノベーゼは、ジャコをバルサミコ酢で味つけしたもので、かなりイケた(タカセさんご購入)。