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特集


ひらめきの月曜日
 
げんなり寿司 へらへら餅

へらへら餅と対面

「はい、へらへら餅、お待たせしました」

出てきたへらへら餅、器は蓋付きなのにいきなりゴマの甘い香り。蓋を手にを取ると温かい! 温か〜い食べ物なのか、へらへら餅って! ジュースと扇風機でクールダウンしてスタンバイしておいてよかった。



餅はすいとんみたいな生地を具なしの餃子のように閉じたものでぽそっとしていて素朴。この食感がキューッと伸びる普通の餅よりも断然甘しょっぱいごまだれに合っていた。

こちらでは餅は自然薯と卵、小麦粉でこねて 作っているんだそう。家庭ごとに餅の作り方は様々で、上新粉だけ使って和菓子の餅のように作ることもあるらしい。

げんなり寿司でお腹一杯だと思っていたのに 楽々食べられた。美味しい!美味しい! 笑いが止まらない。文句ナシ、満場一致でこれは確かにへらへらだ。

つけ合わせは新らっきょうのたまり漬け


げんなり へらへら


浮かび上がる衝撃の事実

すっかり堪能して店を出た。店先ではらっきょう漬けを作る皮むきの作業中。作業を見せていただきながら、へらへら餅についての話を聞くと意外な事実が浮かび上がってきた。

「へらへら餅って変な名前でしょう。形がへらへらしてるから、へらへら餅って言うんだよ」

へらへらした形だったでしょ?

ええ? 美味しくてへらへら笑っちゃう気分になるから へらへら餅じゃないんですか? 献上した殿様が大喜びして笑ったことからその名が付いたっていう説を聞いて来たんですが…。

少なくともこちらのお店の皆さんは「へらへらした形」の餅、というつもりでへらへら餅を作り続けてきたという。そういえば私が食べた餅も確かにへらへらだった。

言われてみれば、へらへら


あれ? じゃあ今回全編を通してクローズアップしてきた、心情を表すゲージの「へらへら」の意味って?

この「へらへら」基準の立場は…


ま、まあ、げんなり寿司もへらへら餅も、おいしかったからいいか。とりあえず、今日はよく歩いたので、ひと風呂あびて帰ります。 ごちそうさまでした!



熱川の駅に戻ってから温泉街をぶらぶらしていたら、お土産用のへらへら餅を発見した。こちらのパッケージにも名前の由来についての詳細は書いていないかった。

郷土料理の名前というと、諸説あって何が正しいということはないのかもしれない。げんなり寿司だって、「げんなりする」という意味に乗じてゲンを担ぐという意味もあると聞いた。

どちらの料理もお店の方に起源を聞くと「すごい昔」だという。アバウト。きっとこれからもずっとこんな感じでゆるゆる受け継がれていくんだろう。それで、いつかまた食べに来てもまるで変わらない味なんだろう。しばらくしたらまた食べに行きたいです。

お土産のへらへら餅。山桃茶屋さんで食べたものより、さらに薄くてへらへらだった


 

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