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特集


ひらめきの月曜日
 
音でもようを作る

実験4 声でチャレンジ2

翌日、気分も新たに洗面器を使った装置を作ってみた。舞台は再び公園へ。


洗面器にピンとビニールを被せる

セロテープでとめて さらにテープでぐるっと一周。

装置はもちろんだが、「上から声を浴びせる」というのが2ページ前にやった実験と決定的に違う。皿を口の上に乗せて叫ぶってあれは一体何だったんだろう。

しかし、実験はこうして四苦八苦して成されるものなのだ。エジソンだって、電球の発明まで1万回を越える失敗を繰り返したというじゃないか。

とにかく、この方法でいい加減模様と対面したい!


塩をまいて敷き詰め、 洗面器に向かって声を張り上げる

「あーーーーーーーー!!」(高い声)
「あーーーーーーーー!!」(低い声)

声色を変えて試すが上手くいかない。やっぱりダメか…
時間はまだ午前中。園内にいる80%の人が寝ころんで涼んでいる。 明らかに安眠妨害行為だ。すみません、模様さえ浮かび上がればすぐ帰りますんで。

「そんな大っきな声あげて、発声練習ですか?」

むやみやたらに叫びまくっていると、犬の散歩をしていたおじさんが声をかけてきた。慌てて、音の振動を調べているのだと答える。

「学生さんの自由研究か、エライね、学校どこ?」
「え? あ、A短大です(思わず卒業校を口走る)」
「声出すなら、もっとお腹から出さなくちゃあなあ! ふっと、こう、息を出すようにさあ、まあ頑張ってねえ」

腹から声を出せ、とのお告げ


確かに私の声はかなりハスキーで低い。役者の友人に「喉に負担かかる声の出し方してるよね」と言われたこともある。ちょっと大声を張り上げただけなのに既に喉がガラガラだ。この声では響きが足りないのかも知れない。

学生に間違えられた喜びを忘れるほど、おじさんのアドバイスに大きく納得。 お腹を意識していわゆる「いい声」を出すようにしてみた。

あーーーーーーーーー!!(意識的にはいい声)
あーーーー!!あああ!

水玉模様が!!

出た、出ました!模様!なるほど、お腹から出す声はよく響くということか。「ガラスの仮面」でも月影先生がマヤに執拗に腹から声を出せと言っていた。先生の言っている意味が今なら私にも分かる…。


声がもようになるようす

Real Player(300k)
Real Player(80k)


興奮して模様を眺めていると、すぐ後ろに演劇サークルか劇団と思われる人々が集まって発声練習がはじまった。

あーえーいーうーえーおーあーおー!

一人で叫び続けるのは抵抗があったが、後ろでも同じように叫ぶ人がいると私も叫びやすい。こうなればもう遠慮なしだ。

かーけーきーくーけーこーかーこー!
あーーーーーーーーーーーーーーー!


試しにビニールの上に色画用紙を乗せたり、塩を昨日まで使っていた飾り砂利に変えたりしてみた。

上に白い画用紙を置いても模様ができた! これが、いい声の模様

砂を混ぜてみたり 黒い画用紙を背景に花火みたいにしてみたり

水玉模様はだいぶ出た。いきなりすごい進歩だ。しかし、どうも同じような模様しか出ない。

この洗面器を使ってもう一度楽器を使って試してみれば模様に差ができるかも。最後に万全の設備を求め、音楽スタジオでの実験に挑みます。


木漏れ日の影が 声の模様に似てる気がした。自然つながりで。

 

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