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特集


フェティッシュの火曜日
 
かぶりものでモテたい
ものすごく慣れない手つき

もうみんな帰っちゃいました

皮部分完成。静かに感慨にふける

骨部分にかぶせる。

作業開始から6時間経過

ようやく青Zくんの皮部分も完成した。あとはこれをかぶせて目をつけるだけだ。先が見えてきたので会話も弾む。

クラスで彼女がいるのは2割ぐらい。ただ、藤原の友人 T には彼女がいるそうである。

「T は夢の話とかするんですよ…。彼女が見た夢の話を」

夢の内容はこうだ。 T の彼女は悪い男に追われている。T に助けを求める。だが T は受験勉強で忙しいからと言って助けない。

「っていう夢を彼女が見たそうです」
「そんなこと話されても、どうしようもないよなあ」
「で『おれは彼女を大事にしてなかった』って勝手に反省してました。」

藤原の焦燥感、劣等感、そして嫉妬。勝ち負けで言ったら負け。

「『へー』としか言いようがないですよ…」

面白いのでさらに聞く

今年の体育祭の帰り、ファミレスに向かって歩いてる途中、ラブホテルの前を通りかかった。T はそこで

「ここ入った」

と言ったそうだ。

「そんなこと、聞いてないのに…」

聞いてる僕まで焦ってくるのはどうしてだろう。テスト終了5分まえみたいな気分だ。

しかし T は友人だ。文化祭でZくんの頭かぶらせてくれと言うかもしれない。そこにTの彼女もきて、ふたりがきゃあきゃあ仲良くするかもしれない。

「そしたら、壊します」

壊すなよ。せっかく手伝ったんだから。そして作業開始から7時間後、夜9時過ぎに青いZくんが誕生した。

モテたいという気持ちが
形となって現れました。
夜の学校に。
これさえあれば…一発逆転を。

闇をかける電車に乗る藤原。闇はメタファーで。


帰りの電車のなかで

「もしこれで彼女ができたら、藤原はどうしたいの?」
「…………」
「どっか行きたいとかない?」
「……プラネタリウムに行きたい」
「でも、星とか好きじゃないでしょ」
「うん。でも行きたい」

着ぐるみでモテる、というおおまかに全体は間違っているのに、ところどころ名刺とかプラネタリウムとか具体的なのがおかしい。

さて、藤原はモテたのか。

文化祭当日のようすをどうぞ。次のページです。


 

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