でっぱりからは景色が違う

人が並んで座っているガードレールを発見。電線にとまる鳥のようだ。

僕もすきまを見つけて座ってみると…、座りごごちは悪い。なにしろパイプだから。見上げると高島屋と駅を結ぶ通路が見える。下から見上げると新幹線のホームみたいに見える。白い光が寒々しくて東北新幹線の駅みたいだと思うんですがどうでしょう。

でっぱりに座ると、いつもは通り過ぎるだけの景色をじっくり見るので発見がある。飼ってる犬の顔をよく見て、あれ？まつげなんて生えてたっけ？と思うような…、なんか例えが違うがそんな感じだ。

「僕は奇数の宴会は元気です」

となりに座った男が話している。奇数の宴会？

「一次会ではじけて、二次会では寝てしまうんです。だから、三次会は僕にとっては二次会なんです。飛ばしていきますよ」

なんかバイトのシフトみたいだ。

尻が痛くなったので早々に移動します。

新宿いち、座り心地がいいでっぱり

それは伊勢丹の前にある。なにしろ革張りのいすだ。ちゃんとしている。寝てる人もいる。

大量の買い物袋をもって座る人が多い。役割的には巣鴨の商店街のベンチに近いだろうか。買い物に疲れたらここでひとやすみしてください、という。

座ってみると、ああ楽だ。喫茶店の狭いテーブルよりも快適かもしれない。

あれ？向かいの丸井、屋根にあんな看板のっかっていたっけ？さっきのでっぱりに続いて頭上に思わぬ発見をする。

こんなに大きいのに見えてないってどういうことだ。でっぱりは視野を広げてくれる。