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特集


ひらめきの月曜日
 
ハム会社に温泉が沸いた!
先日、曼珠沙華を観に実家に帰ったとき、近所では曼珠沙華よりも温泉の話でもちきりだった。行ってきたという妹もとても良かったと興奮気味に話す。なに、そんなにいいの? 場所はどの辺?

「サイボクハムだよ」
「え? サイボクハムの隣?」
「いや、サイボクハム。サイボクハムがやってんの。温泉」

…? ハム会社に、温泉? よく分からないまま、コネタになるかとタオル1本つかんで行ってきました。実家の近所の話で大変恐縮ではありますが、大変なことになってました。4ページ特集に拡大してお伝えします。

(text by 古賀 及子



現場、サイボクハムとは

サイボクハムといえば、テレビでも美味しいと取り上げられる銘柄豚肉を育て、ハムやソーセージを製造する会社だ。工場の隣に直売店とレストランがあることは知っていたのだが、そこに温泉が沸いたのだという。

沸いたといっても、温泉ってそんなに突然沸き出るものじゃないだろう。一体どんな事情があるのか。

半信半疑のまま、カバンにタオルと石けんを突っ込んで向かう。目印はハム会社の看板だ。大丈夫か、やっぱり何か間違えていないか。


ハムの看板を頼りに向かう 正面の看板も間違いなく「ハム」

到着、そしてそこにあったのは…

到着すると、まず目の前にあらわれたのは、どーんとスーパーと同じぐらいの広さの直売店と、これまたファミレスよりひと回りぐらい大きなレストランだった。平日の昼間だというのにかなりの人出。

あたりに温泉がある様子はないが…。とりあえず、人の波に乗せられて直売店の中に入ってみることに。


どーんと目の前に直売店

…これは!! 見通しのいいフロアには精肉からハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ、肉、肉、肉、肉、肉。そして肉にまつわる調味料がずらずらずらっと並びまくり。マスタード、焼き肉のたれ、ドレッシング、ステーキソース、豚カツソース、たれ、ソース、たれ、ソース、たれ、ソース、たれ!

そしてその肉達の中で大勢のお客さんがみなさんカゴ一杯に買い物してる。なんだ、このテンションの高さは。


一見普通のスーパーですが

手前から奥まで、全部ソーセージ! 手前から奥まで、全部ハム!

何しろすごいのは試食の充実度だ。骨付きハムが2センチ四方の角切りにして山盛りに置いてあったり、焼き肉があったり、ソーセージもそこらじゅうでいろんな種類が炒められ配られてる。

ハムコーナーではハムが種類ごとに50cm間隔で勝手に食ってくれと言わんばかりに無造作に並べてあった。ちょうど観光地のお土産やさんのような試食放任主義状態。普通のスーパーではやや遠慮されがちな試食だが(関東ルール?)、ここではお客さん達もノリノリだ。片っ端から遠慮せずに試食する人、多数。

唖然とする私に、係の方が分厚いソーセージを切って焼いたのを渡してくれた。
「お味、どうぞおためしくださーい、保存料、着色料、一切使っておりません。美味しいですよー」

ばちーん。完全にメーターが振り切れた。すごいところに来てしまった…。


信号笛です

分厚い!ハム! サラミ! 味噌味でこってりと!
醤油味でさっぱりと! 試食としては破格の大きさ! そしてソーセージ!

ハムやソーセージってそんなにたくさん食べられるものじゃないと思っていたが、お世辞抜きでどれも美味しいだけに、どんどこ食べられてしまう。ドイツやオランダのコンクールでも常に賞を取る世界のお墨付きだそうだ。

そういえば、母が「どっちの料理ショー」に出てたって言っていた。ははあ、そりゃあおいしいですよねえ……って。あれ?

今日は何しにここ来たんだっけ?

次々と繰り出される試食攻撃に耐えかね、うっかりハムやらソーセージやらで一杯の買い物かごを手にしている。


結局自粛してこれだけ購入

ちょ、ちょっと待て、冷静を取り戻すのだ。ええと、今日はハム会社に沸いた温泉の謎を確かめに来たんだった。カゴの中身を持ち帰れる量に減らして直売店を脱出。温泉はどっちだ?

直売店の目の前はテーブルとベンチがあって、ベンチでは皆さん直売店で買ったお総菜を食べたり、向いにある「カフェテリア」で軽食を買ったりして休んでいた。私は構わず温泉へ向かわねば。


直売店の前にはカフェテリアが

そのとき、カフェテリアの軽食メニューに目が止まった。めいぶつやきういんなー?


こ、これは…


 

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