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特集


ひらめきの月曜日
 
盆栽村で盆栽デビューを


人んち感いっぱいの盆栽園さんたち

今日は大宮盆栽組合の理事長さんがいらっしゃる清香園という盆栽園さんにお願いして、盆栽の鑑賞の基本をお教えいただくことになっているが、その前に、軒並む盆栽園さんを回ってみることにした。

多々ある盆栽園、その規模はまちまちのようだったが、全般的に人さまの家のお庭に入らせてもらう感がある。


完全に人んち

従業員の方も見あたらない静かな園内へ「おじゃましまーす」と入っていく。私が行ったのは平日の午前中。早いところでは8時、遅くても9時には一般に向けて開園しているという盆栽園だが、まだお客は少ないようで、完全に侵入者の気分だ。

ガサガサっ、ビクっ。「あ、いらっしゃいませ」(園の方)、「あっ、ど、どうもっ」(古賀)。変にコソコソしてしまい、各園でこんなやりとりが続く。


こちらもやっぱり人んちみたい

お昼をすぎると人出も多くなってきた。盆栽村内は道幅が広いとはちょっと言えないのだが、観光バスまで乗り入れている。運転席の上には「○○町盆栽会ご一行様」とある。

うどん好きが香川へ行くように、巨人好きが宮崎や行くように、「冬ソナ」好きが韓国に行くように、盆栽好きは盆栽村に集うのだ。ちょっとした趣味の違いが週末の旅行先をこうまで変える。


やや狭い道にも観光バスが

盆栽会話リスニング

周りが気になって盆栽に集中できずにいるなか、ある盆栽園ではお客さんらしい人がしきりに園の方と盆栽談義をしていた。
「右の方の高いところに枝が集まっちゃっててもったいないねえ」
なんてツウっぽい話をしている。思わず盆栽会話リスニング。

「ああ、それはもう、針金使っていかないと」
「そういや最近ナメクジがひどいんだよねえ」
「ああ、ナタネとかは出ますよね」
「もう仕方ないから毎日ピンセットで取ってるよ。そういやここんとこスズメも多いな」
「ええもう、スズメはねえ。あ、○○さん、コナラなんかはお持ちにならないんですか。面白いですよ、コナラ」

どうも盆栽をやるにはナメクジやスズメとも戦って行かねばならないようだ。そしてコナラは面白いらしい。植物に対して使われる「面白い」という形容詞。趣味の世界に足を踏み入れたのを実感する。


盆栽教室の立て札はあるものの、こちらもやっぱり人んちっぽい

さて、もうバレてしまっているでしょうか…。実は、盆栽園は基本的に園内は写真撮影が禁止なのだ。

園にはどこにも盆栽鑑賞のマナーの立て札が

盆栽園内では、写真撮影禁止、盆栽には手を触れない、園内では静かに、が原則だそう。
「盆栽は生きている芸術ですから労功の心をもって静かにご鑑賞下さい」
と立て札にある。美術館で絵画の写真を勝手に撮ったり、騒いだりするのがいけないのと同じことなのだ。すっかり説得されてしまった。

撮影が不可能なのがくやしいくらい、先々では盆栽の迫力にグッとつかまれてはじめている。思っていた以上にかっこいいし、かわいい。


清香園さん。やはり人んち感は否めず

私ばかり盆栽を堪能し大変お待たせしております。いよいよ盆栽が出ます!


 

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