大塚:まずざっと写真をみてください。これ、最近私が撮りためた空き地の数々なんですけど…。
林:いま見ております。
大塚:まずは林さんの「空き地感」などをおきかせ頂けないかと…。
林:「空き地感」!? はじめて聞く言葉なんですが、えーと……。
大塚:空き地は見過ごすほうですか?
林:いや、よく見ます。
大塚:私の出身地、埼玉ってすごい空き地の宝庫なんですけど、東京に住んでると、空き地ってスペシャルじゃないですか。
林:「環状線予定地」とか看板が立っていると「いったいいつできるんだろう」、という遠い気持ちになりますよね。
大塚:林さんは土地の未来が気になるんですか? 過去じゃなく?
林:出来る見込みのない予定が書いてあるのが好きですね。
大塚:新宿の大久保の、道が出来る予定だったのに、どかない人多くて、とびとび空き地の……あそこ、いいですよね。
林:ああ、あそこもいいですね。
大塚:無駄というか、過去と未来が「保留」なかんじが。
林:いいですね。
大塚:そこで猫が、のんびりうんちしてたりすると最高ですね。
林:都心は家があるのが普通なので、空き地には何かがありますよ。
北海道とかだと、何もないのが普通で、家があるところに物事が起きますが、東京だと、何もないところに、「夜逃げ」とか「火事」とか「相続税払えなかった」とか、そういう物語があるような、気がします。
大塚:はい。地価が高い場所ほど、物語性は強くなりますよね。
では、物件を見ていきましょうか。
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