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特集


ちしきの金曜日
 
週末の夜はフリーマーケットへ

夕方になるとどこからともなく出店者が集まってくる


掘り出し物を探して

午後5時過ぎ。まだ日が暮れるまでには少々時間があるのだが、このくらいの時間から出店者達が大きな荷物を手に集まってくる。

マーケット内には屋根付きのコンテナブースと、むきだしの青空ブースとがあり、コンテナブースが一晩1000円、青空ブースが1500円で借りることができる。出店経験者いわく、十分に出店料をカバーできるくらい売り上げが上がるらしい。まあそれは売る商品にもよってのことだとは思うが。

商品を袋から並べるやいなや群がる客。掘り出し物は出店直後を狙え

マーケットが始まるこの時間帯は、実はとても緊張感の漂う時間帯だ。というのも、売買はやはり早い者勝ち。めぼしいものはすぐに売れてしまう。

それを知ってか出店者が荷を解くやいなや、掘り出し物目当てのお客が群がり、一斉に品定めを開始する。それはもうマンガでよくあるおばちゃん達のバーゲンセール実写版といった感じだ。

見る、触る、嗅ぐ。五感をフルに使って商品を見定める。その目は真剣そのものです

フリマで掘り出し物を見つけるには、それなりの選球眼が必要となる。

要するに売るほうはなんとか難をごまかして売りつけようとするし、お客のほうはなんとか難のない商品を、もしくは難を見つけてそれにつけこんで値引きしようとする。ここは五感すべてを生かして商品の選定にあたらなくてはならない。

集中力がものをいう、いわば勝負の世界なのだ。


フリマでは交渉が常識です

それにしても売られているものはまさに多種雑多。沖縄という土地柄か、アメリカ軍の放出品なんかも多いが、中にはどこに使えばいいのかわからない電気器具のコードだとかを専門的に集めた店もある。

そしてほとんどの商品には値札なんて付いていない。値段は店主との交渉で決まるのだ。

筆者も何気なく通りかかった店で値札のないTシャツの値段を聞いてみた。

「これ、いくらですか」
「えーとね、1000円かな」
「へー、1000円ですかー」

特に買う気もなかったので礼を言い買わずに立ち去ろうとすると

「お兄さん、ちょっ、ちょっとまった、50円でいいよ50円で」

いきなり95パーセント引きだ。思わず買ってしまった。



Tシャツを買うとズボンが付いてくる。以前リーバイスで同じようなキャンペーンがあったが、あれはジーパンを買うとTシャツが付いてきた。これはその逆
売り手いわく、たぶん射撃の時に使う耳当てではないか、とのこと。正直ちょっと欲しかったが、なかなか射撃をする機会もないと思い今回は購入は見送った
木彫りの仏像も普通に売られていました。粛々とお客を待ちます
自転車と松葉杖とゴルフボール、これで一店舗
コピーらしきDVDも堂々と売買。映画は500円〜800円くらいから。この他にもパソコンのアプリケーションとか、もろにコピーされて売られています。だめですよ、もちろん
ここに来れば最新のブランド物まで揃います(本物かどうかは別として)。写真を撮っていたら店主ににらまれました
好きなものに囲まれて幸せそうな店主

趣味でお店を持っても構いません

マーケットの中で、筆者が特に気に入っているお店がある。中古カメラと時計、オーディオ等を売るおじさんの店だ。だけどここのおじさんがえらくよくわからない人で、たぶんまったく商売する気などないと思われる。ただその場所を借りてカメラや時計の整備を黙々としているのだ。

一度そのおじさんにショーケースの中のカメラの値段を聞いてみたことがある。

「すみませんが、あのケースの中のやつ・・」
「あれはね、売り物じゃないの」

フリマに持ってきて売らない。かなりレベルの高い行為と言える。そんな自由なおじさんの店が筆者は大好きだ。

さて次は魅惑の食べ物ゾーンへ移動します。



 

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