フリマはうまいもの天国

フリマにはおなかを空かせて来るべきだ。なぜならそこらじゅうからうまそうな匂いが漂って来て、ついついいろいろと食べてしまうから。そしてここハンビーマーケットで売られている食べ物は、個々の単価がすごく安いのでちょくちょくつまんで食べていてもほとんど小銭しか使わない。しかもどれもこれも、本当にうまい。

取れたての野菜を売るお店を出店しているおばちゃんはハンビーマーケットの常連だ。筆者もよく利用させてもらっている。普通のスーパーで買うより安くて新鮮なものが手に入るのだ。

この日もみかんと玉ねぎを購入。二つ買うからまけてくれ、とねだると

「だめ。はい300円、安い」

きっぱりと断られた。こうやって毎週きまってここで商売をしているようなお店は、個人で単発で出店しているお店とは違いちゃんとした売価を設定している。楽しみでやっているというより、生業としているといった感じだ。

そこらじゅうからうまそうな匂いが漂ってきます

フリマとはいえ、食べ物を出している店はさすがに青空店舗ではなくそこに常駐しているお店が多い。設備とかの問題からだろう。そういいう飲食店の立ち並ぶ、さながら屋台街といった一角がある。

ところでフリマの食べ物はなぜか肉が充実している。から揚げ、バーベキュー、ケバブ、思いつく肉料理はなんでもある。しかしなぜか魚を扱う店はない。

揚げ物も充実している。写真はブラジルパイの店。先日取材したブラジルコロッケと同じく、ここもブラジル帰りのご主人が本場の味を伝えるべく出店している。でかくて揚げたてのブラジルパイは、ぱりぱりの皮に包まれたチーズと肉がジューシーでたまらないうまさだった。

自分達で盛り上げよう、という考え

いつか沖縄から越してきた人が言っていたことがある。沖縄は夜遊ぶところが少ない、と。確かに都会に比べると若者がたむろするような遊び場は少ないかもしれない。カラオケとかプリクラとか、そういうものもさほど発展していない。

だけど沖縄に暮らす人たちは、それを不満とも思わず、なければ自分達でなんとか楽しもうとしている。このフリーマーケットもそのいい例だと思う。

出店者もお客も、本気で物を売ったり買ったりしに来ているわけではなく（もちろんそれを商売にしている人は別として）ここに来て人と話をし、うまいものをつまみに酒を飲み、そうやって楽しむためにやっているように見える。そういう人と人とののつながりが結晶化した場所がここハンビーナイトマーケットなのではないか。