品川区の「あけみ」さんの安否は

まずは住宅地図に載っていなかった品川区の方の「あけみ」を訊ねてみることに。こちらの住所、実は自分ちの近所だったのだ。もし現存していれば、お客として今後通うこともできるかもしれない。どきどき。

住所をたどっていくと、駅前の賑やかな商店街からさらに２本ほど奥に入った、商店街のような住宅街のような場所に出た。これまで見てきた繁華街のスナックたちとは打って変わって、見事なまでの場末感がグッとくる。

繁華街のスナックの常連になるのも大人のイメージだが、この手の地元のスナックに入り浸れるようになるとさらに大人のグレードが上がる気がしますが、気のせいでしょうか。

さて、住宅地図に載っていなかった「あけみ」。住所の場所についてもやはり店らしき影を見つけることはできず、別のスナックが４軒同じ住所に並んでいた。潰れてしまったのだろうか、それとも店名をかえただけか…。

通りがかったおばさんに思い切って聞いてみたのだが、「土地のものじゃないので…」と言われてしまった。さらに別の、今度はお酒の強そうなおじさんを狙って聞いてみたが「うーん、ちょっとわからないねえ」とのこと。捜査が進まない。

あれ、私今「砂の器」みたいになってないか。

大田区の「あけみ」さんはどうだ

やむなく品川はあきらめ、住宅地図にもちゃんと出ていた大田区の方へ移動。もしこちらの「あけみ」が潰れでもしていたら、都内に「あけみ」というスナックは現存しない可能性が高くなってくる。それだけは避けたいところだ。

ここ、すごくいい街だった。商店街は昔ながらの雰囲気が残っていて活気もあるし、駅からすこし離れた場所に大型スーパーもある。へえー、あけみさんって今はこんな街でお店やってるんだあ、気分はかつてあけみと一緒に銀座で働いていた同僚のように。

商店街とスーパーの少し先に飲み屋が固まっている一帯があった。ここだ。住宅地図によると、広い道から小道に曲がったところに「スナックあけみ」はあるはずなのだが…。

ありました！　小道を曲がる手前に看板があり（上の写真、一番奥の黒字に緑の看板が「あけみ」）、入ってみると堂々たる風情でいきなり出現。

たたずまいはスナックというよりも何か食べ物屋のようでもあるが、間違いなく「スナックあけみ」はあった。

自分の幻想のスナックを追い求める旅は終わった。へたに開店を待って、まるで自分のイメージと違うあけみママが切り盛りしているところを目撃するのもちょっとロマンがないので、今日はこれで帰ることにします。