ちょっとだけディティールに凝ってみたくなる。
で、あのウイダーinゼリーのCMなんですが、なんと不忍池で撮影されたらしい。不忍池といえば庶民的な町、上野に程近い場所にある池で、都会的なイメージのウイダーinゼリーのロケ地に選ばれたのは意外だ。
CMでキムタクはハンカチを持って汗を拭いていた。ハンカチはCM中重要なアイテムになっていて、妄想中のキムタクが水着の美女に抱きかかえられようとすると水着の派手な模様が次の瞬間現実世界のハンカチの模様にすりかわっているというものだった。
上野に降り立った僕はどうせならキムタクになって記念撮影したいというひとりよがりな願望のもと派手なハンカチを買いに丸井に行く。
丸井のハンカチ売り場はかなり品数が豊富だったが、めぼしいものはなかった。CMで使われたようなものではないが派手なデザインのヴィヴィアン・ウエストウッドのハンカチを購入した。
レジにてプレゼント用ですかと聞かれ、あからさまに女性用のハンカチだったから「自分用です」といい出せずに、「キムタクになるためです」なんてもっといえずに、結局プレゼント用のラッピングをされてしまいました。
不忍池に向かう。
不忍池に行くのは初めてだ。池の中に咲いている蓮の葉の量が尋常ではなくて驚いた。季節柄かもしれないが、もはや風流といえるレベルを通り越している。観光地としても名のある池なのにこんな具合で大丈夫なのだろうか。そして、本当にここがあのウイダーinゼリーのロケ地なのだろうか。かなり不安になりながら、場所を特定していく。
しばらくして独特な形をしたビルを見かける。実はここに来る前に何度もCMを見返したんですが、CMの背景にギザギザのビルが映っていた記憶がある。ギザギザのビルなんて滅多にないからこの場所で間違いない。こうやってCMのわずかな情報を頼りにロケ地を判断する作業ってすごく面白いです。
『CMではあのビルは画面の左に見えたからこっちの方向から撮ったはずだな? ということは……』
なんだか探偵にでもなった気分。
池の中につくられた道を通る。ここは一本道だから、キムタクはここを歩いたんだろうかなどと想像する。もはや、気分はジャニーズのおっかけの女の子だ。いや、おっかけの女の子だって、そんな事までは考えないだろうし、いくらキムタクがすきでも情報を集めてこんな場所まで来ないだろう。いったい僕は東京でなにをやっているんだろうか。お母さん、ごめんなさい。でも、わりと楽しくやってます。
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