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特集


はっけんの水曜日
 
今年はドングリをモンブランに!

「まだ冬服出してない…」
「まじで!? もう11月なかばだよ」
なんて会話を、先週友人としたような気がする。
実際今年の東京はほんとうにあったかくて、「秋!」だというのを忘れてた。

秋、っていうかもう晩秋だ。
秋、そういえばやり忘れたことがあるような……。

「あっ、ドングリ拾うの忘れてた!!」
昨年、代々木公園で拾ったドングリを炒って食べた。それは「マテバシイ」という名のドングリで、ドングリ・グルメ・ランキングではかなり下のほうらしく、あんまり美味しくなかったのだ。

今年こそは「美味しい」とされている「スダジイ」の実を食べてみたい。
そしてスダジイでお菓子が作りたい、そうだ、モンブランにしよう!

ネットでスダジイの生えている場所を探した。スダジイは10月から落下するらしい。もう腐って無くなっているかも、どうか残ってますように……と祈りながら、都内某公園に向かった。

(text by 大塚幸代


公園に着くと、小雨が降ってきた。
実はこの日、私の体調は最悪だった。微熱を出しつつ、濡れながら園内を歩く。
「ドングリ……っていうか私、何やってるんだろう……」と、いきなりテンションが下降ぎみに。
スダジイの実物を見たことがないので、同定出来るのかも不安だった。
しかし足下を見てみると、いちいち植物にフダが付いていた。すばらしい。
これなら大丈夫、きっと分かるはずだ。



「『きつねのまご科』って何だ? ていうか、フダのあるところに植物生えてないんだけど……あ、1年草で、今秋だから枯れてるのか?」
とかなんとか、チェックしながら歩いていくと、あっさりと「スダジイ」が見つかった。



これか、これが噂の、ドングリ・グルメ・ランキングのトップと噂される、スダジイか!



木を見上げてみる。でかい。
シイというからには、シイの木の一種なんだろう。つやつやとした、固い葉っぱ。

…で、実は……?


むむー?


あったよ、ありましたよ!


枯れ葉の中を探すと、実が見つかった。でも、そこいらじゅうに落ちているわけではなく、5平方センチメートルに1個隠れている……くらいの難度だったので、マテバシイ採集のときより面倒くさかった。
座り込んで拾う。大木の下だから、雨が落ちてこない。よかった。
ミュールのカカトが土にめりこむ。
時々、傘をさした人が通りかかる。「変な人」と思われたくなかったので、集めたドングリが見えるように、わざと紙袋の口を、道側に向けた。



「だ、だるい……でも嬉しい……しかしだるい、家に早く帰りたい……でも探すのもなかなか楽しい……いやこんなことしてる30女は他に日本にはいなのではないか……私の人生は……いや意味など考えてはいけない……ドングリ、ああ無駄に愛おしいなドングリって……」

1時間くらい拾ったろうか。
立ち上がると目眩がした。そしてコートにべったりと、見たことのない種類の「くっつき草」が付いていた。うひー、知らない間にこんなに!



草をひとつひとつとって、帰ろうとしたら、公園の出口に
「ドングリは小鳥さんたちのエサになるので、あんまり拾って帰っちゃだめだよ!(ハート)」
というような看板がたっていた。
げげげ。

……いや、これは小鳥さんの食べ残しに違いないから、ひと袋だけだから、許してーーー! とダッシュで家に持ち帰った。



 

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