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特集


ちしきの金曜日
 
タクシー運転手の行きつけ 〜ソウル編〜

ホーロー看板の家を右手に進むと…
こんな案内が
青い屋根の一軒家が“館”
入口前の「けやきの小道」には落ち葉がいっぱい

落ち葉に埋もれる少女まんがの館

福生からバスに乗って420円。「茅窪」というバス停で降りる。バス通りでキョロキョロしても女ま館は見えない。日の出町公民館に向かって脇道を入ると、右側に案内板というか、案内箱が出ていた。ここが少女まんがの館なのか〜。
などともっともらしく案内してきたが、私は女ま館の旧世話人のひとりだった。といっても神田が世話していた頃の女ま館は、ただ倉庫のように少女まんがが積んであっただけ。
蔵書を整備し守っているのは、有限会社さるすべりのお二人。大井夏代館長と夫の中野純さんだ。

 

女ま館は少女まんがの人形寺

女ま館がこの地に作られたのは1997年。草の根パソコン通信ネット(といっても通じないか?)「ぱらねも」に作られた少女まんがの会議室がきっかけだ。
「少女まんがは古本屋でも手に入りにくい」「あのまんががまた読みたい」という思いから誕生した。

 

さるすべり夫妻が世田谷から転居し、2002年8月15日より週1回の一般公開を始めて、延べ来館者数は200人。大半は近所の子供さんだ。実は私も、女ま館に来たのは4年ぶりぐらい。
ただ、女ま館の目的は公開以前に、捨てられたり売られたりして消えてしまう少女まんがを、なるべく全部保存しておくこと。もちろん自分たちで買い揃えるなんて無理なので、寄贈を募っている。
「寄贈して下さる方々は、みなさんすごく思い入れがありますよ。人形寺みたいなもんですね」
と中野さん。私が寄贈を仲介した中には、「実家に置いてあったけど親から“まんがなんて”と言われて処分されそう」という方も少なくない。まんがなんて! ああ、そんなこと言わないで下さい。少女まんがは大事な友だちだったよ。



「こんにちはァ〜」
自由に入れる開架式閲覧室「やまのは」

閉架の方にもどっさり
「どうもいらっしゃい」と中野さん


中野さんは「闇を歩く」という著書があるせいか、たびたびナイトハイクというか闇歩きイベントを開催している。土屋遊はしきりと参加したがっていたが、執拗に
「暗闇は怖くないですか?このお宅は怖くないですか?ヘビとかでませんか?今流行の熊はどうですか?」
と、まんがとは関係ない質問を繰り返していた。
「怖くはないですよ、冬は寒いですけど夏は涼しくて気持ちいいですし」
丁寧に答えてくださるご夫妻。少女まんがを堪能しつつ明治建築の風情ある日本家屋で過ごす夏…確かに気持ちよさそうだ。
闇歩きイベント次回開催は12/23。でも暗闇もヘビも怖い人にはちょっと無理だろう。



常連さんはほぼ近所の子供
私が寄贈した「少女まんがこけし」(略称・じょまこけ)


 

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